単三電池に続いて、角型電池(006P)の特性を知る必要がでてきました。 通常の9V電池は6個の1.5Vセルで構成されています。
アルカリ電池には2種類あることがわかります。内部構造に違いがあります。
6LF22は角型セル、6LR61は円筒セルです。
一般名称 JIS型式 一次/二次 公称電圧 正極 負極 電解液 備考 マンガン電池 6F22 一次 9.0V 二酸化マンガン(MnO2) 亜鉛(Zn) 塩化亜鉛(ZnCl) 積層 x6 アルカリ電池 6LF22 一次 9.0V 二酸化マンガン(MnO2) 亜鉛(Zn) 水酸化カリウム(KOH) 積層 x6 アルカリ電池 6LR61 一次 9.0V 二酸化マンガン(MnO2) 亜鉛(Zn) 水酸化カリウム(KOH) LR61(単6) x6 リチウム電池 - 一次 9.0V 二硫化鉄(FeS2) リチウム(Li) 有機電解液 SONNENSCHEIN LITHIUM社 SLM9V=1200mAH ニッカド電池 - 二次 7.2V オキシ水酸化ニッケル(NiOOH) カドミウム(Cd) 水酸化カリウム(KOH) 6セル ニッケル水素電池 - 二次 7.2V オキシ水酸化ニッケル(NiOOH) 水素吸蔵合金(MH) 水酸化カリウム(KOH) 6セル GP30R7H=300mAH ニッケル水素電池 - 二次 8.4V オキシ水酸化ニッケル(NiOOH) 水素吸蔵合金(MH) 水酸化カリウム(KOH) 7セル GP20H8H=200mAH
定電流負荷を使って「電圧」「時間」特性を測定すれば、放電容量mAHをすぐに求められます。 放電容量200mAHとは放電終止電圧に達するまで0.2C(40mA)で5時間放電を続けられるという意味です。 電流と時間の積で表されることから、電流がわかれば放電時間をある程度見積もることができます。 使われ方によって放電容量は変わります。 放電終止電圧は二次電池では7.0Vを想定していることが多く、一次電池では5.4Vを想定しています。 これは電池の特性から、どこまでの電圧までなら安定に使えるかに起因します。 ここでは固定抵抗を使って「特性」と「放電容量」を測定します。 一分間隔で負荷電圧を測定することで、その区間内の電流がわかります。 これを放電終止電圧に達するまで積算すれば放電容量を求められます。
放電容量[mAH] = Σ(E / R / 60min x 1000mA)
ここでは3つ電池を比較します。
一般名称 メーカー 単価 マンガン電池 6F22 100円ショップ、2本100円 50円 アルカリ電池 6LR61 100円ショップ、1本100円 100円 ニッケル水素電池 GP20R8H 200mAH、標準充電器使用 600円
006P電池は6セル以上で構成され、その容量の少なさから大電流には向いていません。 通常電流として想定される50から30mAレンジです。 測定負荷として180Ωの抵抗を使用します。
放電終止電圧=7.0V 一般名称 放電容量 放電時間 マンガン電池 49mAH 1:11 アルカリ電池 294mAH 6:56 ニッケル水素電池 171mAH 3:31
放電終止電圧=5.4V 一般名称 放電容量 放電時間 マンガン電池 182mAH 5:00 アルカリ電池 485mAH 12:15 ニッケル水素電池 217mAH 4:48 GP20R8H(8.4V,200mAh)の中身を見てみました。やはりまだまま余白があります。
- アルカリ電池が思いのほか容量があることがわかります。
- ニッケル水素は内部に空白がみられ、まだまだ容量アップの余地がありそうです。
- これは予想されたことですが、複数セルで構成されているため、曲線の傾きは単セルよりも急になります。
- つまり回路設計の際には動作電圧の変動幅が大きいことを考慮する必要があります。
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- 物によると思いますが、各セルの容量ばらつきがあるようで、放電終止間際に階段現象(不連続)が見られました。
- 2度測定してみましたが、同じ現象が見られました。
- これはセルの中に容量の少ないものが含まれており、先に放電が終了してしまうためです。
- このセルが過放電状態になるため、電池の充電繰り返し寿命を極端に短くしてしまいます。