- アルカリ電池のおもらし(液漏れ)を経験した方も多いだろう。
- 何度も経験しているが、完全に防ぐことはできない。
- 電動歯ブラシ、置時計など、分解掃除を余儀なくされた。
科学反応式
一般名称 一次/ニ次 公称電圧 正極 負極 電解液 アルカリ電池 一次 1.5V 二酸化マンガン(MnO2) 亜鉛(Zn) 水酸化カリウム(KOH)
負極 Zn + 2OH- -> ZnO + H2O + 2e- 正極 2MnO2 + H2O + 2e- -> Mn2O3
- 正確にはアルカリマンガン電池と呼びます。
- マンガン電池を改良し、電解液として塩化亜鉛(ZnCl 2)を水酸化カリウム(KOH)に置き換えたものだからです。
- この水酸化カリウム(KOH)が強アルカリ性です。
- もともと「乾電池」とは鉛蓄電池のように液体ではなく、電解液を染み込ませた個体を使い、扱いやすくしました。
- 完全に「乾燥」しているわけではありませんが、縦でも横でも向きに関係なく使えます。
- 液体では横にしたりすると液がこぼれて使えません。
- 液漏れは「負極」側から起こります。
- 負極にガスを逃がす弁があり、ここから液漏れします。
- 水を電気分解すると水素と酸素が発生します。
- 性能の異なる電池(製造年月日の異なる電池)を直列に使うと、一方はまだ元気でも他方は使い切り、逆充電が起こります。
- すると、異常な電気分解が始まり、内部でガスを発生させます。
- ガスと同時に染み込んでいた電解液も一緒に流れ出すため、液漏れを引き起こします。
- 内圧を逃がすための工夫が、液漏れの原因です。
- この弁が働くと、鈍い破裂音がします。
- 様々な原因がありますが、結局、内圧が高くなることが原因です。
- ショートによる異常発熱で、内圧が高くなった。
- 新旧電池の混在で逆充電を起こし、内圧が高くなった。
- 使い切った電池を放置して、自己放電で内圧が高くなった。
- 夏場、熱いところに放置して、電解液が蒸発して内圧が高くなった。
- アルカリは強力な洗剤にも使用されるため、侵食することが知られています。
- 簡単にいうと汚れを溶かします。油脂も溶かすので、付着したらよく手を洗いましょう。
- 強アルカリ性によって電池のパッケージを溶かします。
- 電子機器側を侵食すると破壊しますので(故障原因)、発見したらすぐに電池を抜きます。
- 電解液や白色の結晶もきれいに拭き取ります。機器内部に入ってしまった場合は分解洗浄が必要です。
- 強アルカリ性は電子基板を侵食したり、金属を溶かしたりします。メッキが剥がれます。
- 放置すると侵食が激しく、取り返しがつきません。だから早期発見が重要です。
- 放置すると水酸化カリウムが空気中の二酸化炭素と反応し、炭酸カリウム(K2CO3)の白い結晶になります。
- 実際には水分蒸発した水酸化カリウムとの混合物です。水酸化カリウムは空気中の水分と結びつきやすい性質があります。
- 巻き添え事故がもっとも厄介です。
- アルカリ電池が使えないだけでなく、電子機器も使えなくなります。
- メーカーによってはアルカリ電池の液漏れによる機器の保障をおこなっていることもあります。
- 完全に防ぐことは不可能ですが、早期発見が重要です。
- できるだけ、放置しないことです。
- 年に一度は総点検したり、電池交換する習慣にすると良いでしょう。
- 壊れては困るような電子機器にアルカリ電池を使用しないのも手です。
- マンガン電池、ニッケル水素電池を使い分けましょう。
- それから、電池は生ものですので、長期保管は避けましょう。
- アルカリ電池は保管していても月に1%程度容量が減ります。年間なら12%減ります。