単三電池(AA)、角型電池(006P)に引き続き、単四電池(AAA)の放電特性を測定してみました。
現在出回っている乾電池の種類をまとめました。よく使われる単四形(AAA)を前提にしています。
一般名称 JIS型式 一次/二次 公称電圧 正極 負極 電解液 備考 マンガン電池 R03 一次 1.5V 二酸化マンガン(MnO2) 亜鉛(Zn) 塩化亜鉛(ZnCl) 10本100円などポピュラー アルカリ電池 LR03 一次 1.5V 二酸化マンガン(MnO2) 亜鉛(Zn) 水酸化カリウム(KOH) 4本100円などポピュラー ニッケル電池 ZR03 一次 1.5V オキシ水酸化ニッケル(NiOOH) 亜鉛(Zn) 水酸化カリウム(KOH) Panasonicのオキシライド ニッケル水素電池 HR11/45 二次 1.2V オキシ水酸化ニッケル(NiOOH) 水素吸蔵合金(MH) 水酸化カリウム(KOH) 小型大容量、急速充電
定電流負荷を使って「電圧」「時間」特性を測定すれば、放電容量mAHをすぐに求められます。 放電容量1000mAHとは放電終止電圧に達するまで0.2C(200mA)で5時間放電を続けられるという意味です。 電流と時間の積で表されることから、電流がわかれば放電時間をある程度見積もることができます。 使われ方によって放電容量は変わります。 放電終止電圧は二次電池では1.0Vを想定していることが多く、一次電池では0.9Vを想定しています。 これは電池の特性から、どこまでの電圧までなら安定に使えるかに起因します。 ここでは固定抵抗を使って「特性」と「放電容量」を測定します。 一分間隔で負荷電圧を測定することで、その区間内の電流がわかります。 これを放電終止電圧に達するまで積算すれば放電容量を求められます。
放電容量[mAH] = Σ(E / R / 60min x 1000mA)
ここでは3つ電池を比較します。
※公称容量の90%を急速充電します。
一般名称 メーカー 単価 マンガン電池 100円ショップ、10本100円 10円 アルカリ電池 100円ショップ、4本100円 25円 ニッケル水素電池 BetterPower 900mAH、急速充電器使用※ 140円
CDプレーヤー、MDプレーヤーに代表される大電流を想定した測定です。 常時240から200mAの電流を必要とするレンジです。 測定負荷として5Ωの抵抗を使用します。(C)2007-2008 All rights reserved by Einstein.
(測定温度は20Cから25Cの範囲、原則購入直後の新品)
放電終止電圧=1.0V 一般名称 放電容量 放電時間 マンガン電池 140mAH 0:37 アルカリ電池 637mAH 2:47 ニッケル水素電池 723mAH 3:05
放電終止電圧=0.9V 一般名称 放電容量 放電時間 マンガン電池 178mAH 0:49 アルカリ電池 732mAH 3:17 ニッケル水素電池 736mAH 3:09
- マンガン電池も使用できるレンジですが、容量が少ないのは否めません。
- ニッケル水素電池にも欠点があります。欠点を知った上で上手く使いこなしましょう。