• 2010-08-16 初版

はじめに

自動車用バッテリの電圧と充電率を計測します。MPLAB と HI-TECH C(PIC16用)でプログラムを記述しました。
C言語を利用することで、開発期間の短縮が図れます。
１秒ごとに電圧と充電率を交互表示します。充電率は独自による推定方式です。

仕様

電源	12V
表示内容	気温、電圧、充電率

ブロック図

回路図

• 12Vから5Vを生成するためにDCDCコンバータを使いました。
• 5Vのレギュレータでは電圧差が大きいため、消費電力が大きいためです。

部品表

値	数	備考
PIC16F1827	1	IC1 マイクロチップ
NJM2360	1	IC2 DCDCコンバータ、新日本無線
MCP9700	1	IC3 温度センサー、マイクロチップ
DMC16117A	1	LCD1 16x1行表示
1.2K	2	R1,R3 カーボン皮膜抵抗1/4W
3.6K	2	R2,R4 カーボン皮膜抵抗1/4W
100uF	1	C1 縦型電解コンデンサ(耐圧25V)
470uF	1	C2 縦型電解コンデンサ(耐圧16V)
470pF	1	C3 セラミックコンデンサ
1S4	1	D1 ショットキー・バリア・ダイオード
220uH	1	L1 小型インダクタ
10K	1	VR1 半固定抵抗

■充電率

電解液の比重を測定することで充電率を知ることができます。専用の比重計が必要になります。
開放電圧(無負荷で1時間以上放置した状態)からも充電率を推定することができます。
正確には時計などの微小負荷状態で測定します。鉛蓄電池は放電を続けると電圧が下がり、そこから充電率を推定することができます。
エンジンを切った直後はそれまでオルタネータ(発電機)による充電が行われていたため、高い電圧を示します。しばらく放置してから測定する必要があります。

20℃の充電率

充電率	比重	開放電圧[V]
100%	1.280	12.72
75%	1.235	12.45
50%	1.190	12.18
25%	1.145	11.91
0%	1.100	11.64

開放電圧[V]=(比重+0.84)x6セル
比重は温度に左右されます。 比重の温度換算式 S₂₀=S_t+0.0007(t-20)
温度も考慮した充電率=(V/6-1.94+0.0007(t-20))/(0.18)x100

気温と電圧から充電率を計算し、表示します。

ソフトウェア

• 低消費電流を目指し、PICの動作クロックを内蔵発振の31KHzとしています。
• タイマ２割り込みを使い、１秒ごとに割り込みを発生させ、電圧と気温をA/D変換します。
• A/D変換の基準電圧に内蔵基準電圧4.096Vを利用します。

充電率を表示するので便利です。冬場は充電率が低いまま放置するとバッテリ劣化の原因になります。