かなり昔になりますがFM受信機を作れないかと格闘し、超再生方式でFM検波できることを知って設計製作したFMラジオです。
「初歩のラジオ」の読者コーナーに掲載されたものです。(基板の色が古さを物語っています)
電池一本で動作することにこだわった超再生ラジオです。しかも電源電圧1.5Vという低電圧にもかかわらず、バリキャップによる同調を行っています。
仕組み上、受信にコツが必要です。
受信周波数 80Hz - 93MHz 受信方式 超再生方式 出力 イヤホン 電源 単三x1 消費電流 3.5mA 電池寿命 アルカリ電池2000mAH/3.5mA=571hour
回路図
1S2236のVr-C特性
- 後段の低周波増幅器でマグネチック・イヤホンやスピーカーを駆動します。
- 音量はR10で調節することができます。4.7kから100kの範囲で調整するとよいでしょう。
- イヤホンのケーブルが外部アンテナの役目をします。
- 電池一本でスピーカーを鳴らすことができます。
L=0.25uHでVr=0.1から1.5Vの範囲で70MHzから90MHzの同調をカバーすることを確認
値 数 備考 100k 2 R1,R10 カーボン皮膜抵抗1/4W 2k 1 R2 カーボン皮膜抵抗1/4W 1k 1 R3 カーボン皮膜抵抗1/4W 27k 1 R4 カーボン皮膜抵抗1/4W 47k 1 R5 カーボン皮膜抵抗1/4W 1M 2 R6,R8 カーボン皮膜抵抗1/4W 10k 2 R7,R9 カーボン皮膜抵抗1/4W 0.01uF 2 C1,C3 セラミックコンデンサ 0.0022uF 1 C4 セラミックコンデンサ 8pF 1 C5 セラミックコンデンサ 0.001uF 1 C6 セラミックコンデンサ 10uF 4 C2,C7,C8,C9 縦型電解コンデンサ(耐圧16V) 1S2236 1 D1 バリキャップ、代替品1SV160 10k 1 VR1 ボリューム 500 1 VR2 ボリューム 2SC1674 1 Q1 NPN汎用トランジスタ、代替品2SC1923,2SC945 2SC828 3 Q2, Q3, Q4 NPN汎用トランジスタ、代替品2SC1815 0.25uH 1 L1 空芯内径6mm, 7回巻き、巻き幅で微調整 10uH 1 L2 小型インダクタ SP 1 SP マグネチック・イヤホン
- 2SC1674は廃版です。
- 2SC828は廃版です。
- 1S2236は廃版です。
超再生方式の受信は少しコツが必要です。実際のチューニング位置をプロットしてみました。80MHzから93MHzくらいの範囲を受信しています。
- 超再生レベルで発振ポイントを探します。サーという音が聞こえ始めます。発振はじめがもっとも感度が良くなります。
- チューニングで局を選択します。チューニング周波数によって超再生レベルの発振ポイントもずれます。
- 超再生レベルとチューニングを交互に調整し、もっともうまく受信できるように追い込んでいきます。
コイルL1の幅を微調整して周波数帯を決めます。
超再生方式はクエンチング(quenching)発振回路を応用したものです。
再生方式の発振を抑えるために、周期的に発振と停止を繰り返すようにしたものです。
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