湿度コントローラ

概要


外見

外見

センサー部

内部


回路設計のポイント

  1. センサーへの供給電圧はデータシートの測定のとおり、最大1 Vpp としました。 これにより、オペアンプの扱う電圧範囲は 1V - 2mV になります。 オフセット電圧が 3mV 程度ですので、これでも微妙です。本来ならもっと オフセット電圧の低い、高性能なオペアンプを使用するべきですが、 アマチュアであることと、そもそもセンサーが完全に対数変化しない ことによる誤差を考えれば、これくらいの誤差はあきらめます。 直読できるように湿度30%-90% を 電圧0.3V-0.9V に変換します。
  2. ログアンプの特性をセンサーの中ほどに設定しています。 これは46%-68%の領域にあたり、この範囲では精度が良いはずです。 室内の湿度は通常この範囲にあることも考慮してのことです。 湿度の両側がもっとも誤差が大きくなります。
  3. ログアンプで温度補償をしています。抵抗2Kを同じ程度の抵抗を持つ サーミスタに変更するとさらによいでしょう。
  4. 部品は入手が容易なことと、安価であることに配慮しました。 LM324の代わりにNJM2902でもかまいません。
  5. できるだけ再現性がよく、しかも調整が容易であるように配慮しました。
  6. 電源はトランスレスとし、直接DCを生成しています。AC部の感電に注意してください。
  7. 加湿器の制御にはトライアックを使用しました。

回路図

アナログ部

AD変換表示部

電源部

注意事項

  1. ログアンプ、三角波、絶対値のオペアンプは同じICパッケージ内で構成してださい。 これは特性をあわせるためです。(回路図ではICピンの自動割り振りを行っていますので 好ましくありません。)
  2. 2mV という微小電圧を扱うので、ノイズに注意して配線ください。
  3. ログアンプのトランジスタは同じ特性のものが好ましいです。 同じロットのものを使用するといいでしょう。なお、Y ランクで 回路を設計しています。GR ランクは使えません。 できればエポキシ樹脂で2つのトランジスタを温度結合すると良いでしょう。
  4. 実用に耐える程度の湿度計ですが、完全に誤差を取り除くことはできません。 特に両端では10%程度の誤差があると思ってください。 そもそもセンサー(HS15P)の特性があまりよくないため、高性能なオペアンプを 使用しても精度は期待できません。
  5. オペアンプは単電源で動作しますが、ログアンプなどでマイナス電源が必要と なるため、仮想的なGNDを生成しています。この仮想 GND を基準にしてオペアンプ が動作しています。出力を外部で使用するときにはご注意ください。 もう一段、オペアンプを入れてオフセット調整すると扱いやすくなります。

調整方法

  1. VR1が三角波のデューティ比調整です。センサーの代わりに 1Mオームを接続し、きれいな三角波になるように調整してください。 オシロがない場合には、-0.5V(Gndに対して)程度にしてください。
  2. VR2がセンサー部のオフセット調整です。センサーを接続し センサー間の電圧がゼロになるように調整してください。 センサーは直流に弱いのでこれを防ぐためです。
  3. VR3がゲイン調整です。センサーの代わりに100Kオームを接続し 出力が0.46Vになるように調整してください。 10Kオームを接続したときに約0.68Vになるはずです。

評価

設計した回路を実際に組み、実測してみました。データを片対数に描いて比較してみます。
入力理想実測1実測2ログ
2mV0.875V0.773V(2KΩ)0.790V(2KΩ)0.702V
10mV0.680V0.665V(10KΩ)0.693V(10KΩ)0.593V
0.1V0.460V0.429V(100KΩ)0.456V(100KΩ)0.367V
1.0V0.300V0.193V(1MΩ)0.199V(1MΩ)0.108V

感想


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