インピーダンス特性
はじめに
- ヘッドホンやイヤホンのインピーダンスは周波数により変動します。
- どの程度変動するのか知ることは音の特性を知ることに役立ちます。
- 電圧駆動ではインピーダンスの高いところで、出力電力が小さくなるため、音量が小さくなります。
- 電力=電圧×電圧÷インピーダンス
- つまり高いインピーダンスの周波数部分が苦手と判断できます。
- たとえば、公称インピーダンス=24Ωで20KHzのインピーダンスが240Ωとします。
- 電力比で10log(24/240)=-10dBも違います。
- ちなみに-10dBを下回らない条件で実効周波数範囲を決めることができます。
- 厳密な測定ではありませんが、概ね傾向を把握できます。
- 厳密な測定では擬似的な耳にヘッドホンやイヤホンをセットして計測します。
- 耳の内部空間(内耳)によるエンクロージャー構造によって微妙にインピーダンスが変動します。
著作権と免責事項
- 個人利用に限定され、著作権者の許可なく商用利用できません。
- 直接間接に関わらず、使用によって生じたいかなる損害も筆者は責任を負いません。
- 仕様は予告なく変更されることがあります。
スピーカー、ヘッドホン、イヤホンのインピーダンス
- XBA-30/SONYは密閉型インナーイヤホンです。
- 公称インピーダンスは12Ωです。
- 3つのバランスド・アーマチュア(BA)を搭載しています。
- 3つのドライバのおかげでBAの不得意とする高音もある程度改善されています。
- 低音のインピーダンスは8Ωくらいです。
- 高音の8.4KHzにピークがあります。
- BAは理想とするフラットには遠く、改善の余地が残されています。
- Triple.fi 10/Ultimate Earsはカナル型イヤホンです。
- 公称インピーダンスは--Ωです。
- 3つのバランスド・アーマチュア(BA)を搭載しています。
- 990Hzにピークがあります。
- 2KHz以上はインピーダンスが下がるため、高域がやや強調されます。
- UE6000/Ultimate Earsはヘッドホンです。
- 公称インピーダンスは50Ωです。
- ノイズキャンセリング機能はオフです。
- 高音にかけてインピーダンスが下がる独特の特性です。
- UE350vi/Ultimate Earsはカナル型イヤホンです。
- 公称インピーダンスは16Ωです。
- 変動も小さく典型的なイヤホン特性です。
- FX711S/JVCはカナル型イヤホンです。
- 公称インピーダンスは16Ωです。
- 変動も小さく典型的なイヤホン特性です。
- IE-20XB/M-AUDIOはカナル型イヤホンです。
- 公称インピーダンスは--Ωです。
- ダイナミックとバランスド・アーマチュアのハイブリッドという非常に珍しい構造です。
- 特性も珍しく、高域でインピーダンスが下がります。
- HP-FX24/VICTORはカナル型イヤホンです。
- 公称インピーダンスは16Ωです。
- 変動も小さく典型的なイヤホン特性です。
- XBA-10/SONYは密閉型インナーイヤホンです。
- 公称インピーダンスは24Ωです。
- 1つのバランスド・アーマチュア(BA)です。
- 高音でインピーダンスが大きくなり、BAが高音を苦手としている様子がわかります。
- 公称インピーダンス=24Ωで18KHzのインピーダンスが240Ωです。
- 電力比で10log(24/240)=-10dBも違います。
- 18KHz以上は再生周波数帯域に含めることはできないでしょう。
- XBA-C10/SONYは密閉型インナーイヤホンです。
- 公称インピーダンスは24Ωです。
- 1つのバランスド・アーマチュア(BA)です。
- 高音でインピーダンスが大きくなり、BAが高音を苦手としている様子がわかります。
- ER-4S/Ethymotic Researchはカナル型イヤホンです。
- 公称インピーダンスは--Ωです。
- 1つのバランスド・アーマチュア(BA)です。
- 高音でインピーダンスが大きくなり、BAが高音を苦手としている様子がわかります。
- SE-CLX9/Pioneerは密閉型インナーイヤホンです。
- 公称インピーダンスは32Ωです。
- 1つのバランスド・アーマチュア(BA)です。
- 高音でインピーダンスが大きくなり、BAが高音を苦手としている様子がわかります。
- 内部のノズルを交換することで音をチューニングすることができます。
- 2.2KHzのインピーダンスが内部のノズルで変化します。
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