無線モジュール(AD01D)

はじめに

AD01Dは送信機と受信機からなる一方向4ビットデータ無線モジュールです。
314.950MHzの微弱電波を使用しています。

送信モジュールAD01DTX(29mm x 40mm、2.0-3.5V、2.5mA@送信時、1uA@スタンバイ時)
受信モジュールAD01DRX(29mm x 40mm、2.2-3.5V、11mA@2.5V)
データ4ビット独立
応答速度約80msから約200ms
簡易型のラジコン送受信機と考えると良いでしょう。
応答速度が遅いですが、超低速の4ビットの通信(一方向)も可能でしょう。
屋内と野外など、有線では難しい制御リモコンなどに便利です。
微弱電波ですので、見通し距離10mくらいまでの通信が可能です(概ね大声が届く距離です)。
仕様の詳細は発売元である野村エンジニアリングのページをご覧ください。

微弱電波

微弱電波とは電波法で規定された電波の利用法です。規定を守っていれば免許不要で誰もが利用できる電波です。
送信機から3メートルの距離で指定された電界強度以下である必要があります。代表例は車のキーレスエントリーです。
詳細は総務省のページをご覧ください。
総務省の微弱無線局の規定
近畿総合無線局の微弱無線局

送受信モジュール

左:送信モジュール、右:受信モジュール

送受信モジュールは非常にコンパクトです。

基本動作テスト

■ペアリング
ペアリングとは送信機と受信機の組み合わせ決定する操作です。
送信機側に16ビットの固有データが埋め込まれています。このデータを受信機側に登録する操作です。
ペアリングの専用回路(LEDは3Vで発光する青色です。赤、緑、黄色は使用できません。)
  1. SW1を押したまま、電源を入れます。
    LEDが2度点滅します。
  2. SW1を放すと、LEDが点灯します。
    ID登録モードに入ります。
  3. 送信機の電源を入れると、IDを電波で送信します。
    LEDが2度点滅して消灯します。
  4. 受信機の電源を入れなおします。
これで完了です。

■IDの消去
ペアリングを解除するための操作です。
  1. SW1を押したまま、電源を入れます。
    LEDが2度点滅します。
  2. SW1を放すと、LEDが点灯します。
    ID登録モードに入ります。
  3. もう一度SW1を押します。
    LEDが10度点滅して消灯します。
  4. 受信機の電源を入れなおします。
これで完了です。

■送受信テスト
受信機のP1とGND間にLED(3Vで発光する青色)を接続し、送信機のP1とGND間にスイッチを接続して、送受信のテストを行います。
スイッチを押しているときだけ、LEDが点灯することを確認できます。

感想

■送信機の電源
送信機の電源は安定化電源よりも電池の方が安定するようです。電源が安定していないと電波は送信されていても受信機側で認識しないことがあります。
安定化電源を用いるときは、少し対策が必要です。

■送受信距離
約10mくらいでは問題なく動作します。300MHz帯ですので、多少の障害物は反射しながら進み到達する模様です。

環境に左右
この無線モジュールを利用する上でもっとも注意を払わなければならない点です。
微弱電波を使用しているため、当然のことながら電波の混信などがあると無線信号が途切れます。
制御する機器は電波が途切れても誤動作しないような対策が必要です。
電波が途切れたとき、安全が確保される設計が必要です(これをフェールセーフと呼びます)。
たとえば、多少の電波の途切れで制御がバタついてしまわないように、瞬間的な途切れを無視するように設計するのもひとつの方法です。

■3V動作
電池2本で動作するのはうれしいものです。消費電力も抑えられています。
ちょっとしたシステムへの組み込みに最適です。
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