無線モジュール(TS24)

2007-04-05 初版

はじめに

TS24は双方向データ通信無線モジュールです。
2.4GHzの特定小電力無線局になります。

送受信モジュールTS24(27mm x 17mm、2.1-3.6V、14mA@送信時、18mA@受信時、5uA@スタンバイ時)
送信出力1mW
通信形式RS232C(19200bps)、SPI(250kbps)
屋内と野外など、有線では難しい双方向のデータ通信などに便利です。
送信出力は1mWですので、見通し距離30mくらいまでの通信が可能です。
仕様の詳細は発売元である野村エンジニアリングのページをご覧ください。

特定小電力無線局

特定小電力無線局とは電波法で規定された電波の利用法です。メーカが無線機の「技術基準適合証明」を受けており、免許不要で誰もが利用できる電波です。
無線機の改造は許されていません。代表例はコードレス電話機です。
詳細は総務省のページをご覧ください。
総務省の特定小電力無線局
近畿総合通信局の特定小電力無線局

送受信モジュール

送受信モジュール

送受信モジュールは非常にコンパクトです。
送受信機のIDはマジックで記述されています。受信データにはどの送受信機から送られてきたかIDで特定することができます。

基本動作テスト

■送受信テスト
RS-232Cで19200bpsの送受信テストを行います。
PCとPIC間を無線RS-232Cにしてしまうものです。
テストのため、PICでは受け取ったデータを送り返すだけにしています(エコーバック処理)。


■送受信条件
以下のコマンド設定をしました。
#CH001<CR>
#LN02<CR>
#TX12

■コマンド送信のウェイトについて
マニュアルに記載されていませんが、以下の条件を守る必要があります。
守らないと正しくコマンドが認識されません。
バイト間のウェイト100us以上2.5ms以下
コマンド間のウェイト約3.6ms以上(100us+2.5ms+1ms) #TXはさらに送信バイト数に依存した時間が必要=(5+送信バイト数)x1ms
バイト間のウェイトを2.5ms以上にすると、内部解析が始まってしまい、正しくコマンドを認識しません。
コマンド間のウェイトは内部解析に必要な時間です。
コマンドが正しく受け付けられたかは、READY信号で判断できます。
正しく受け付けられた時のREADY信号(#TXコマンド)

誤って受け付けられた時のREADY信号(#TXコマンド、バイト間ウェイトが長すぎた例)


■受信データ
受信データは以下のフォーマットです。
-受信データ数送信機ID制御IDデータ
バイト数122データ数
例10100-5400-6E6E
例20200-5400-DB6D-6E
例30500-5400-FF31-32-33-34-35

オシロスコープで観測した伝送されてきたRS-232Cの受信データ信号(TX)です。

感想

■送受信距離
2.4GHz帯ですので、障害物の影響を受けます。光に近い性質がありますので、遮られると通信しなくなります。

環境に左右
この無線モジュールを利用する上でもっとも注意を払わなければならない点です。
特定小電力で1mWの電力がありますが、物に遮られると無線信号が途切れます。
制御する機器は電波が途切れても誤動作しないような対策が必要です。
電波が途切れたとき、安全が確保される設計が必要です(これをフェールセーフと呼びます)。
たとえば、多少の電波の途切れで制御がバタついてしまわないように、瞬間的な途切れを無視するように設計するのもひとつの方法です。

■3V動作
電池2本で動作するのはうれしいものです。消費電力も抑えられています(実測で20mAでした)。
ちょっとしたシステムへの組み込みに最適です。
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