- ソーラーシステムです。
- 住宅用のソーラーシステムに比べたら、小規模です。
- その代わり安価です。約\8,000です。
- 取り出せる電力は小さいですが、ノートパソコンや携帯電話の充電に十分な能力を備えています。
- エアコンなど消費電力の大きい家電を駆動できません。
- 常時用および非常用に最適です。
- 個人利用に限定され、著作権者の許可なく商用利用できません。
- 直接間接に関わらず、使用によって生じたいかなる損害も筆者は責任を負いません。
ソーラーパネル出力 5W AC電源出力 最大150W(ただし短時間です) 想定出力(1日あたり) 40Wなら1時間、20Wなら2時間、10Wなら4時間、5Wなら8時間
ソーラーパネル SUNYO SY-M5W \1,350 ソーラー充電コントローラー CM04-2.1 \1,400 DC/ACインバーター KV-150 \2,100 バッテリ BV40B19L \3,000
- ソーラーパネルです。
- 太陽電池で発電機に相当します。
- 約30cmx20cmと小型です。窓に立てかけて使います。
- 出力電圧は最大で17.4Vもあります。そのため直接バッテリに接続できません。
- 出力電流は最大で0.29Aです。電圧が17.4Vとすると17.4Vx0.29A=5Wです。
- 電流の逆流防止用にショットキー・バリア・ダイオードが内蔵されています。
- ソーラー充電コントローラーです。
- ソーラー充電コントローラーとDC/ACコンバータを組み合わせてパワーコンディショナー(和製英語)と呼ぶこともあります。
- 出力電圧(充電電圧)が13.8V以下になるように調節します。
- 過充電になるのを防止します。
- 扱える最大電流は4Aです。ソーラーパネルの最大電流が0.29Aなので十分です。
- 実際の発電電力は充電電圧13.8Vx充電電流0.29A=4Wです。
- DC/ACインバーターです。
- バッテリのDC12VをAC100Vに変換します。
- 家電を使えるようにします。
- ファンレスなので静かです。
- 出力は疑似的な正弦波です。
- 最大出力は150Wですが、常時150W使えるわけではありません。
- エネルギー収支を考える必要があります。
- 変換効率が100%と仮定し、150Wの出力をするためにはバッテリから150W÷12V=12.5Aの電流が流れます。
- それだけのバッテリ能力も必要です。
- ※実際の変換効率は80%から90%です。
- ※バッテリ電圧低下保護(10.5V=放電終止電圧)がありますが、ここまで低下するとバッテリ容量はほぼゼロです。
- ※使い切らないように注意してください。
- 自動車用バッテリです。
- 密閉型よりも安価で大容量です。
- 発電された電気を一時的に貯えます。
- 38B19あるいは40B19はもっとも一般的です。
- 容量は28Ahです。ただしニッケル水素電池のように使い切る使い方をできません。
- 鉛蓄電池は一度使い切ってしまうと、急激に劣化します(これを深放電と呼びます)。
- サルフェーションが発生し、充電しても元に戻りません。
- 50%ぐらいにとどめる必要があります。つまり使える容量は14Ahです。
- 日中充電を行い、毎日充電を行っているので、使い切る使い方をしない限り長持ちします。
- ※充電制御車対応バッテリが最適です。たとえばECT-40B19Lです。
- 充電コントローラーにより過充電保護されます。
- 一般的に鉛蓄電池は定電圧充電方式で0.1C(容量の1/10)以下の電流で充電します。
- 例えば13.8Vで2.8A以下の電流で充電します。この条件を満足しています。
- ※過放電保護回路はありませんので注意してください。
- バッテリの廃棄は大抵のガソリンスタンドで無料で引き取ってくれます。
- ※必ず縦置きにしてください。横置きすると電解液が漏れる可能性があります。
- ※電解液の希硫酸は皮膚につくとやけどの危険があります。
- ※急速充電すると電気分解を起こし水素と酸素が発生します。換気してください。
- 全体の構成図です。
- プラス、マイナス端子を間違えないようにします。
- ギボシ端子を使って確実に接続します。
- 大きな電流が流れるのでショートは禁物です。
- できるだけ太い配線を使います(10A)。
- バッテリとの接続はバッテリクリップ(洗濯バサミの形状)を使います。
- よく何ワットで何時間使用できるかという質問があります。
- この答えはエネルギー収支から考える必要があります。
- 何もしなければエネルギーは途中で増えたり減ったりすることはなく、エネルギー保存の法則に従います。
- つまり「入力エネルギー」=「出力エネルギー」です。
- 電気のエネルギーは電力です。
- バッテリを考えない場合、入力電力=5Wなら出力電力=5Wです。これ以上の出力電力はできません。
- バッテリを使うとエネルギー収支が柔軟になります。
- 例えば、ソーラーパネルが発電していない、夜間に電気を使うことができます。
- しかし限度があり、日中に蓄えたエネルギーを超えることはできません。
- つまり「入力エネルギー」>「出力エネルギー」です。
- 借金してエネルギーを前借することもできません。事前に貯金しておかなければなりません。
- このシステムの入力エネルギーは(一時間当たり)5Wですので、出力エネルギーが(一時間当たり)5W以内ならエネルギー収支が合います。
- (入出力電力が同じなら)8時間充電できたら8時間出力できます。
- 出力エネルギーが10Wなら充電時間の半分の4時間出力できます。
- 5Wで8時間充電したとき、電力量は5Wx8時間=40Whです。この電力量で考えます。
- ただしバッテリに蓄えられる電力量の制限を受けます。
- バッテリの容量は28Ah(5時間充電率)ですが、使い切ることはできないため、利用できるのは半分の14Ahとします。
- 14Ahとは12V、14Aで1時間利用できます。電力量換算すると12Vx14A=168Whです。
- つまり、満充電した場合、168Wで1時間使用できる能力を備えています。
- 一日あたりの充電電力量は40Wh程度ですから、満充電には168W÷40Wh=約4日かかります。
- つまり、平均して毎日40Wh程度(40Wを1時間、20Wなら2時間、10Wなら4時間)の消費電力量なら、エネルギー収支があいます。
- 一時的に消費電力量が多くてもバッテリの能力を超えない限り対応できます。
- ただし入力エネルギーは太陽に左右されるため、常に一定ではありません。
- 常に8時間充電できるわけではありません。
- 曇りの日や雨の日もあるため、毎日の充電電力量も変動します。
- エネルギー収支を考えながら、消費電力量を考えましょう。
- ※ソーラーパネルの5Wとは晴天の場合であり、実際の発電はそれ以下で少し過小評価しなければなりません。
- ※発電量と消費電力量をモニターする装置を作ると面白いでしょう。
- 常時、携帯電話充電用電源やラズパイの駆動電源として重宝しています。
- もちろん非常用電源としても活躍するでしょう。
- なにせ太陽さえあれば、半永久(故障しない限り)に使えます。
- 電気代もかかりません。