- 見えない放射線を正確に測定することは実に難しく、体重や電圧の測定とは大きく異なります。
- かといって、何の目安もなければ、人にとって判断材料がありません。
- 誤解や過信、過度の期待、あるいは誤った測定方法を避けるために、解説してみようと思います。
- 当初報道でも線量uSvと線量率uSv/hの混同が見られました。これは距離kmと速度km/hの関係に相当します。
- 被曝には外部被曝と内部被曝(体内被曝)がありますが、一般の放射線測定器は外部被曝を測定するものです。
- そのためこの解説は外部被曝を前提にします。
- なお、内部被曝に関しては外部被曝よりも厳しい暫定基準値を定めています。(ただし国際的にみると甘い基準です)
- 体外に毒物がある場合と体内に毒物がある場合、当然体内の毒物はより厳しい基準でなればなりません。
- 放射能漏れ事故がどのようなものであったかを後世に伝えるため、記録として残します。100年後に伝われば幸いです。
補足(確率的影響)
- 放射線は科学的にも医学的にもすべて解明されているわけではなく、まだまだ未知の部分があります。
- たとえば、放射線はDNAを傷つけることが知られていますが、長期的にどの程度人体に影響があるのかはまだわかっていません。
- わからないことを包み隠さずわからないと説明することは重要です。
- 細胞はDNAを修復する機能(あるいは異常なDNAを持つ細胞を死滅させる機能)がありますが、破壊される速度に修復する速度が追いつかないと、あるいは異常を検出する機能が働かないと細胞に異常が発生します。
- チェルノブイリの「赤い森」では今のところネズミは放射線に耐性があり異常はみられませんが(ただし放射線量が高かった当初に一度全滅しました)、鳥類はほとんどに異常が見られます。
- 放射線の影響は確定的影響と確率的影響の2種類あります。
- 確定的影響は短時間に強い放射線を浴びたときに必ず起こる現象です。例えば、3Sv以上で50%が死亡します。
- 確率的影響は長期間に弱い放射線を浴び続けたときに確率的に起こる現象です。例えば100mSv以上でがんの死亡率が高くなることが知られています※補足参照。
- 確率的影響は100mSv以下でその影響がわかっていません。理由は経験値がないからです※補足参照。そこで仮に比例するとのモデルが考案されました。
- しかし本当のところはまだわかっていません。もしかしたら低いところでも確率的影響が高いかもしれません。世の中、人間の予測どおりとは限りません。
- これは一例ですが、トンネルダイオード(またの名をエサキダイオード)は電圧が低いところで、電流が多く流れる性質が知られています。現実にこのようなことが起こります。
- 最近、ビルの耐震に長周期地震動による共振問題がわかってきました。震度は小さくても共振するとビルが大きく揺れ倒壊する危険があります。
- 液状化現象でビルが倒れることもわかってきました。
- もしかしたら確率的影響もトンネルダイオードのように、低い線量で高い影響があるかもしれません。(これも憶測です。現在のところ真相はわかりません。)
- 電磁波を利用した電子レンジがあります。特定の周波数は水分子を揺さぶり熱を発生させる性質があります。
- 一部では微量の放射線はむしろ健康によいとの話もありますが、定かではありません。
- これは無菌室で育つと抵抗力が衰え、菌に対して弱くなるという考えに似ています。だから弱いウィルス(ワクチン)で免疫を作り、強いウィルスに対抗できる体にしておくという考え方です。
- しかし、放射能汚染による弱い放射線を常に浴び続け、原爆による強い放射線に対する免疫をつけておくというのは、例え医学的に正しい(現時点では不明)としても倫理的に正しい考え方ではありません。
- そもそも、頻繁に放射能漏れ事故を起こされては困ります。原爆を前提にされては困ります。放射能汚染はインフルエンザの流行とは違います。放射能汚染がなくとも自然界から微量の被曝をしています。
- 人類が放射線を利用し始めて、高々60年程度の歴史しかありません。放射能が発見されて高々100年の歴史しかありません。経験値が少ないのは否めません。
- スリーマイル島事故は1979年3月28日に発生しました。チェルノブイリ事故は1986年4月26日発生しました。事故から約30年しか経過していないので、50年後の科学的な検証ができていません。
- つまり、50年後、100年後の影響は誰にもわかりません。科学の理論や法則は検証、確認してこそ、初めて認められます。検証、確認のとれていない影響を唱える方は科学者ではなく、占い師です。
- 人体への影響は「シーベルト」という単位を用いますが、これは人体への影響度を「人間の感覚、経験」で 決めた単位であり、絶対的な単位ではありません。
- シーベルトがどのように決められているかは放射線の単位をご覧ください。
- たとえばβ線とγ線の放射線荷重係数は1ですが、α線の放射線荷重係数は20です。
- なぜ20なのか疑問に思った方もいると思います。なぜこんなキリのいい数値なのでしょうか?
- この20という値はある程度の研究と経験に基づいて決定されていますが、本当はもっと低いかもしれませんし、高いかもしれません。
- 「おおよそ」これくらいということで決定されています。この程度の根拠しかありません。
- 研究が進み将来見直されるかもしれません。
- 実際、ICRP2007年勧告で陽子の放射線荷重係数が5から2に変更されました。組織荷重係数も変更されています。
- つまり、シーベルトの単位規定方法が変更されています。今まで体重が70kgと思っていたら、実は60kgでしたというようなものです。
- かといって何の目安もないのでは困りますので、現在はこのシーベルトをひとつの基準にしています。
- シーベルトという単位は医学的な経験値を基に、現在でも曖昧さを含んでいるということを理解しておく必要があります。
- 確率的影響は100mSvで0.5%のがんリスク増加が見積もられます。この数値だけが一人歩きしています。
- 「0.5%のがんリスク増加」とはどういう意味でしょうか?多くの方が誤った解釈をしています。
- 私自身もどう解釈をすればよいかわからず、その出所であるICRP(国際放射線防護委員会)の原文を読んでやっとわかりました。
- 我々一般人はこの0.5%という数値をどう評価すべきで、どう判断したらよいのでしょうか?簡単に言えば影響が大きいのでしょうか小さいのでしょうか?
- まず「がんのリスク」とは「がんの死亡率」を指します。「がんの罹患率(発症率)」ではありません。がんの発症率はがんの死亡率よりも何倍も高いです。
- 個人が一生にがんで死亡する確率が0.5%増加するという意味ではありません。
- 我々が知っている病気の「人口10万人当たりの死亡者数=死亡率」とも違います。
- もともとICRPは放射線の防護を専門とし、防護の観点から確率的影響がどの程度あるのか推測し、どう対処すべきかを考える機関です。WHOとは観点が違います。
- ICRPでは主に広島原爆と長崎原爆の調査データを元に、統計処理をして確率的影響を推定しています。統計モデル、係数によって推定値は変化しますので、大雑把な目安と捉えるべきです。±50%ぐらいの誤差は平気であると考えなければなりません。
- 放射線が発見されて高々100年の歴史しかなく、そもそも(人工的な)被曝データがあまりありません。広島原爆、長崎原爆やチェルノブイリ事故ぐらいしかありません。信頼性のある統計には十分なデータが必要です。そのため、100mSv以下の確率的影響がわかっていません。
- 誤解のないように付け加えれば、原爆の被害が決して少なかったということではなく、高い信頼性を得るために統計上の必要なデータが少ないということです。
- 人工放射線の利用が始まる以前は自然放射線の被曝しかありませんでした。年間1mSv前後の自然被爆しかなく、それ以上の被爆をすることはありませんでした。
- ICRPの勧告では、100mSv以上の確率的影響を「全体の致死リスク係数=1Svあたり5%」と見積っています。つまり1Svなら5%、100mSvなら0.5%、200mSvなら1%となります。
- 年齢によって係数は異なるのですが、「全体の致死リスク係数」というのは全年齢で総合評価した場合という意味です。
- さらに人工的に放射線被曝しなくても我々はがんで死亡します。そのため、被曝しなかった死亡率に比べて、被曝した場合に死亡率がどの程度増えるのかを知る必要があります。
- この増加分を過剰絶対リスク(Excess Absolute Risk)で表現したのが、「全体の致死リスク係数」です。つまりがんの死亡率の追加分を示しています。
- 文部科学省の発行している「放射線副読本」では仮に1000人が100mSvを浴びたとすると5人(0.5%)ががんで死亡し、もともと30%ががんで死亡しているので合計305人ががんで死亡すると解説しています。
- 本来の意味は被曝のないがんの死亡率30%に被曝による0.5%が加算されるので、合計30.5%ががんで死亡します。本来と解説の順序が逆ですが同じ意味です。
- では、100mSvで0.5%のがんの死亡率増加というのは、どう判断したらよいのでしょうか。許容できるのでしょうか?
- 本来この数値は防護の目的であり、人口当たりの死亡者数に結びつけるべきではありません。しかし、我々一般人が知りたいのはイメージしやすい具体的な数値です。
- 日本の人口はおよそ1.26億人です。毎年約100万人が死亡し、そのうち約30万人(30%)ががんで死亡しています。大雑把ですが30.5%とは30.5万人ががんで死亡することになり、毎年5000人が追加で死亡します。
- 2010年の交通事故死が約5000人です。つまり日本の社会において、5000人死亡者増加というのは無視できず、許容できる数値ではありません。
- これらの数値は推定値であり、大雑把な見積もりであることを忘れないでください。大きな誤差を含んでいます。
- 各国の統計の取り方の違い、医療技術の違い、医療技術の進歩、などでも推定値は変化します。
- また放射線は非常に複雑な現象を呈するため、一筋縄ではいきません。
- 放射線の種類でα線、β線、γ線、X線はよく聞きますが、これ以外にも中性子線などたくさんの種類があります。
- しかもこれらの一種類が単独で存在していることはむしろ稀で、同時に混在していることが普通です。
- たとえば、γ線が空気中を進むとき空気分子と衝突して光電効果やコンプトン効果でβ線を誘発します。
- 逆に強いβ線が金属に衝突するとX線が発生します。
- 放射性物質が崩壊するとき、あるときはβ崩壊しますがあるときはγ崩壊するといった具合です。放射性核種により崩壊系列が知られています。
- つまりβ線を放出したりγ線を放出したりします。しかも確率的に起こります。なんとも気まぐれです。
- 放出するだけでなく、放射性物質によってはβ線を獲得することもあります。
- 同時に混在した放射線を測定することは至難の業です。
- さらに人体への影響単位であるシーベルトへ換算するためには「放射線を種類分けし」、「それぞれの量を測定し」、 「人体のどの臓器を被曝したか」などを判断して総合的に集計計算をしなければなりません。
- このような複雑な計算はGM管カウンタで事実上不可能です。
- GM管カウンタは放射線の種類を特定できません。
- GM管カウンタは人体のどの臓器に放射線が照射されたか(される予定か)を判断できません。
- そのため、放射線測定機器はある程度割り切ってシーベルト換算しています。これを1cm線量当量(周辺線量当量)と呼びます。
- 実効線量の代わりに、人体組織の1cm深さでの外部被曝線量を評価基準とした1cm線量当量で代用しているのです。一般的に「実効線量」≦「1cm線量当量」となり、多く見積もっての数値といわれています。
- 1cm線量当量は係数を掛けたり割ったりするだけなので計算も較正も容易です。
- つまりシーベルト測定値は体重や電圧と異なり、大きな換算誤差を含んでいます。
- GM管カウンタの種類にはγ線だけ、β線+γ線、α線+β線+γ線を測定できるものがあります。
- これらは用途に応じて使い分ける必要があります。また測定方法も用途に応じて異なります。
- たとえば原発ではNaIシンチレーション検出器を用いたγ線検出が行われています。
- これはもし放射能漏れを起こした場合、γ線量が即座に変化するため、いち早く検知するためです。
- 被曝線量よりもいち早く検知することが第一目的です。
- この用途ではα線やβ線はむしろ邪魔です。誤検知の原因になります。
- α線を測定するのに、γ線だけを測定するGM管カウンタを利用できません。
- またα線は空気中を数センチしか飛びません。GM管の窓に近づけないと測定できません。
- β線は空気中を数メートル進みます。あるものは空気分子に衝突しながらジグザクに進みます。
- つまりβ線はいろいろな方向に進みます。
- 特定の放射線量を測定する場合、近くにβ線を放出する放射性物質があると回り込んで測定に影響を及ぼします。
- 外部の不要な放射線を遮蔽する必要があります。
- γ線は透過力が強いため、GM管の窓からだけでなく、側面の金属も通過して入射します。弱いγ線は窓から、強いγ線は側面を通過します。
- こういった放射線の特性とGM管の特性を理解しておく必要があります。
- 測定対象や測定目的に応じてGM管カウンタを選択し、測定方法を検討する必要があります。
- 表面汚染検査の目的では、α線+β線+γ線の測定できるガイガーカウンタを用いて、表面すれすれを計測します。
- この場合、汚染されているかいないか、どこが汚染されているかを知ることが目的であり、被曝線量を計測する目的ではありません。
- 例えば、靴底が汚染されているかを知ることができます。街中のどこに放射性物質が存在するかを知ることができます。
- そのため放射線の種類を絞らず、単位としてはcpmを用います。数値の大小で存在を知ることができます。
- 空間放射線量測定の目的では、γ線だけ測定できるガイガーカウンタを用いて、一般的に地表から1mで計測します。
- 日常生活する上での外部被曝線量を知ることが目的です。年間被曝線量限度に達しないかを確認します。線量率uSv/hではなく、時間を掛け合わせた(積算)線量uSvで判断します。
- この1mというのは成人を点として考える場合の中心位置という意味と(ガイガーカウンタはβ線を高い確率で検出するので)地表から放射されるβ線の影響を少しでも下げ誤カウントを避けるという意味があります。
- 正確に見積もるには、測定の高さを日常生活のスタイルにあわせる必要があります。例えば子供であれば、もっと低い位置で測定する必要があるでしょうし、寝室では寝床の高さにあわせます。
- そのため、単位としてはuSv/h(空間放射線量率)を用います。uSv/hを知るためにγ線に絞る必要があります。
- 食品の放射線量検査目的では、専用のゲルマニウム放射線測定器を用いて、外部放射線を遮蔽した空間で計測します。
- 非常に微量の放射線量であるため、ガイガーカウンタでは感度が足りず計測できません。
- 単位としてはBq/Kgを用います。
- GM管カウンタによるシーベルト測定は「γ線感度」から換算されます。
- 厳密な放射線測定装置は校正用放射線源によって校正されます。
- 校正用放射線源にはコバルト60やセシウム137がよく使われます。
- コバルト60は1.17 MeV と 1.33 MeVの「γ線」を放出します。
- セシウム137は0.662 MeV の「γ線」を放出します。
- GM管カウンタはγ線のエネルギーによっても相対的な感度が微妙に異なります。
- つまり、セシウム137で校正して、同じ線量のコバルト60を測定すると異なる値を示します。
- 世の中にはさまざまな放射性物質が存在し、放出されるγ線は放射性物質によってさまざまなエネルギーレベルを持ちます。
- つまり、たとえ校正用放射線源で校正しても、測定されるγ線量は誤差を含みます。
- ここで注意しなければならないのは「α線+β線+γ線」を測定できるGM管カウンタでは 「γ線」のみに絞らないと正しい「γ線のシーベルト換算にならない」ということです。
- GM管カウンタの窓をアルミニウム板で遮蔽して測定しなければなりません。アルミニウム遮蔽板をON/OFFできる機種もあります。
- GM管はβ線を高い確率(ほぼ100%)で検出しますが、γ線の検出確率は非常に低い(数%)ことが知られています。
- そのため測定中にβ線が混入してしまうと、正しいγ線のシーベルト値になりません。
- γ線感度を基準にしているからです。
- ここでさらに疑問が生じるはずです。
- γ線のシーベルト値がわかったとして、「β線のシーベルト値」「α線のシーベルト値」を測定しなくていいのかということです。
- 中性子線も同様です。(中性子線は自然界に微量しかないため、通常は無視してもよいのかもしれません。)
- 本来であれば、これらも測定して、加えなければなりません。正しいシーベルト値になりません。
- 身体への影響はγ線だけでなく、β線やα線も影響を及ぼします。本来であれば総計しなければなりません。
- β線は皮膚への影響が大きいことが知られています。放射線が衝突してエネルギーを失うということは衝突相手にエネルギーを与え損害を与えることです。
- γ線しか測定できないGM管カウンタはβ線を測定漏れしています。
- β線は体内奥深くまで入り込めないですが、やはり影響はあります。β線は3mmのアルミ板で遮蔽できますが、人はアルミ板を着ていません。
- しかしながら、GM管の原理上β線だけを測定することはできません。
- たとえβ線で校正したとしても、β線だけでなくγ線も同時に検出してしまいます。
- これでは何を測定しているのかわかりません。混在測定が困難な理由がここにあります。
- 幸いにしてα線は空気中を数センチしか飛びません。
- 外部被曝を考える場合、皮膚表面に放射性物質が付着しないかぎりα線に被曝する確率は低いです。
- たとえ空気中に浮遊してきたα線を放出する放射性物質があったとしても、GM管の窓数センチ以内にある確率は低いともいえます。
- このようにして(外部被曝)シーベルト換算する場合、α線は除外されているようです。
- GM管カウンタでは、このように大雑把に(γ線)シーベルト換算しているに過ぎません。(1cm線量当量ではβ線も除外しています。)
- 逆に内部被曝の場合、α線を一番考慮しなければなりません。
- α線の放射線荷重係数が20であることからもわかるように人体への影響度が大きいからです。
- 臓器を局所的に破壊します。
- GM管が異なればγ線感度も異なります。
- 機種が異なれば特性も異なります。
- これらを相互に比較できるように校正をするわけですが、すでに解説のように校正したとしても誤差を含んでいます。
- もちろん校正しないよりしたほうがよいです。
- また測定条件が異なれば、当然測定値も異なります。
- 地上1メートルと地表面では測定値が異なります。
- 相対比較するためには、できるだけ条件を統一する必要があります。
- 同一機種、同一条件での測定が理想です。
- また測定にはばらつきを伴います。そのため、一度の測定では不十分であり、何回か測定して平均する必要があります。
- 一度の測定に十分な時間をかける必要もあります。1秒では測定できません。感度にもよりますが最低1分は必要です。
- また平均値が正しいとは限りません。注意が必要です。
- 環境中の放射線量は様々な要因で常に変動しています。風が吹けばチリ状の放射性物質は飛んでいったり、飛んできたりします。
- 半減期で知られるように自然に時間と共に放射線量は減衰していきます。
- 一定であることの方がむしろ稀です。変動しないと思っていることが誤りです。
- 東京の平均気温は年16℃ですが、夏場の最高気温は30℃を超えますし、冬場の最低気温は0℃を下回ります。
- 一日の間でも最高気温と最低気温があり変動しています。
- つまり短期的にみれば必ずしも平均値が正しいわけでありません。
- ばらつきがあるからといって、あまりにも長期的に平均しても真の値からかけ離れてしまいます。
- むしろある程度のばらつきがあることが真の値です。
- 線量計はばらつきを抑えるためにある程度の期間で平均処理をしています。
- 野外で使用時の注意事項です。
- GM管に放射性物質(チリやホコリなど)が付着すると正しい測定ができません。
- 混入しないように測定器をラップで包むなどホコリ対策が必要です。
- 私を含めて一般人が知りたいことは放射線の種類でもなく、放射性物質の種類でもなく、人体への影響度です。
- 生活する上で安全か危険かを判断する材料が必要です。厳密である必要もありません。
- その判断材料として、人体への影響度を知る単位が「シーベルト」です。
- もともとシーベルトは経験に基づいて決められた単位であり、多くの曖昧さを含みます。
- またさまざまな放射線が同時混在しているため、測定値は大きな換算誤差を伴います。
- 放射線の放出は確率的に行われるもので測定誤差を必ず伴います。ばらつきがあります。
- 測定条件によっても値は異なります。
- 現在の技術では高い精度も期待できません。測定値の高い保証もありません。
- 高性能なGM管カウンタのγ線精度は±15%程度です。
- しかもこれは校正用線源に対しての精度であって、実際の幅広いエネルギー域のγ線に対してではありません。
- α線精度やβ線精度を表示したGM管カウンタも見かけません。
- 測定したシーベルト値はあくまで「目安」です。
- たとえシーベルト値が正確でなくとも、普段より数値が大きければ人体への影響が大きいと判断できます。
- 現時点においては精度にこだわりすぎず、目安にすることのほうが人類にとってメリットが大きいでしょう。
- なお、被曝線量限度を考える場合、外部被曝だけでなく内部被曝も考慮する必要があります。
- 放射性物質を含む土壌の粉塵を吸い込んだり、放射性物質を含む食料の摂取を避けなければなりません。
- さまざまな問い合わせを受けています。水道水の放射線量を測定できないかという話がありました。
- 残念ながらGM管カウンタでの測定は困難です。
- もともと水は放射線をさえぎる効果があるためです。
- 水道水の放射線量は微量であるため、特殊な測定器が必要です。
- もっとも高濃度の放射性物質を含む汚染水なら別ですが、測定中に被曝してしまい危険です。
- 同様に食品の放射線量もGM管カウンタでは測定できません。
- 減塩の8000Bq/Kgくらいでもやっと測定できる程度です。
- GM管カウンタで食品の放射線量を計測したら、それはとんでもない放射能汚染をしています。
- もっとも放射能汚染した土壌まみれなら、計測されますが、それは土壌の放射線量です。
- 表面汚染を検査しているに過ぎません。食品内部を測定していることにはなりません。
- 食品に含まれる放射線量を測定するには、1Bq/kgの精度で測定する必要があり、GM管カウンタの約8000倍の感度が必要です。
単位はベクレル/キログラム[Bq/Kg]
- まずは食品の放射線量について考えてみましょう。
- そもそもカリウムを含む食品は多かれ少なかれ放射線を放出します。
- 自然界のカリウムのうち0.0117%は放射性同位体の40Kでありβ線を放出します。
- カリウムは栄養素の一つであり、生命維持になくてはならないものです。もちろんバランスが大切であり多すぎても少なすぎてもいけません。
- 以下は目安です。減塩(NaCl+KCl)は重量配分から計算しました。
減塩 7925 干し昆布 2000 魚 100 干し椎茸 700 牛乳 50 お茶 600 米 30 ドライミルク 200 食パン 30 生わかめ 200 ワイン 30 ほうれんそう 200 ビール 10 牛肉 100 清酒 1 単位はベクレル/キログラム[Bq/Kg]
- 放射線の暫定規制値について考えてみます。
- 「放射能汚染された食品の取り扱いについて(別紙)」- 厚生労働省(平成23年3月17日)
- もともと食品に対する放射線量の規制値がなかったため、慌てて決めた基準であり、根拠はあまりありません。(いわゆる意図的に想定外にしていました。)
- 「緊急的な措置」であり「恒久的な措置」ではありません。
- 測定方法も曖昧です。野菜は軽く洗ってから測定されているようです。飲料水を水で洗うわけにはいきません。
- β線よりα線の規制値が低い(厳しい)ことがわかります。内部被曝の際、α線による人体へのダメージが大きいからです。
- ここで注意が必要です。物事はトータルで考えなければならないということです。
- 野菜は放射性ヨウ素だけに汚染されているわけではなく、同時に放射性セシウムにも汚染されているということです。
- 人体への影響は放射性ヨウ素だけではなく放射性セシウムも影響します。その他の放射性物質もトータルで考えなければなりません。
- また人間は野菜だけを食べるわけではなく、水も飲みます。これらもトータルで考えなければなりません。
- 放射性セシウムは時間と共に体外に排出されますが、すべてが排出されるわけではありません。一部は体内に一生とどまります。
放射性ヨウ素
(131Iはβ線を放出)飲料水=300
牛乳、乳製品=300
野菜類=2000放射性セシウム
(137Csはβ線とγ線を放出)飲料水=200
牛乳、乳製品=200
野菜類=500
穀物類=500
肉、卵、魚、茶葉、その他=500ウラン
(238Uはα線を放出)乳幼児用食品=20
飲料水=20
牛乳、乳製品=20
野菜類=100
穀物類=100
肉、卵、魚、その他=100プルトニウムと超ウラン元素のα線核種 乳幼児用食品=1
飲料水=1
牛乳、乳製品=1
野菜類=10
穀物類=10
肉、卵、魚、その他=10
- 報道によれば非常に高い放射線量が測定されました。
- ほうれん草が1万5020ベクレル/Kgの放射性ヨウ素(β線、半減期8日)
- コウナゴが1万4400ベクレル/Kgの放射性セシウム(β線とγ線、半減期30年)
- このレベルは食品衛生法をはるかに超える高い値で、とても許容できるレベルではありません。
- 米の放射性セシウム濃度の検査結果が公表されました。
- 本調査件数3213中、100Bq/kg以下が228件(7%)、100Bq/kg超200Bq/kg以下が7件(0.2%)、300Bq/kg超500Bq/kg以下が1件です。
- 暫定基準値(当時は500Bq/kg)以下ですが約7%で検出されており、Bq/kg表示されないため、結局消費者は選択することができず、買うことができません。
- ここには生産者と消費者の意識ギャップがあります。
- 生産者は検出されないこと、つまりは安全であることを前提に(願望も含めて)測定してますが、消費者は逆で、危険であることを前提に測定を願っています。
- 消費者は安全なものを優先して購入します。製造年月日が表示してあれば、新鮮なものから購入するのが消費者目線です。
- 新たに暫定基準値を超える米が発覚し、出荷停止となりました。
- (2012年8月21日)報道によれば、福島県沖のアイナメから2万5800Bq/kgのセシウムが検出されました。
- (2012年8月27日)報道によれば、青森県沖のマダラから基準値(100Bq/kg)以上のセシウムが検出されました。
- 風評被害とは存在しない原因、結果による噂被害を指します。
- 例えば、O-157の原因としてカイワレ大根が疑われましたが、調査したところ原因ではないことがわかりました。これは風評被害です。
- 実在する被害を風評被害とは呼びません。
- 例えば、牛肉にセシウムが含まれる疑いがあり、調査したところやはりセシウムが検出されました。これは実害です。
- 例えば、お茶の葉にセシウムが含まれる疑いがあり、調査したところやはりセシウムが検出されました。これは実害です。
- 例えば、ほうれん草に放射性ヨウ素が含まれる疑いがあり、調査したところやはり放射性ヨウ素が検出されました。これは実害です。
- 福島第一原発の水素爆発により空気中に飛散した放射性物質は、日本各地に及んでいます。
- 微量ですが、米国でも確認されており、地球規模でばら撒かれています。
- つまり、実害のない地域はありません。
- 繰り返しますが、これを風評被害とはいいません。実害といいます。噂を広げる報道ではなく、事実報道です。
- 風評被害と騒いでいる場合、むしろ怪しいと考えるべきです。なぜなら実害の無いことが例外だからです。
- 暫定基準値を下回っているから安全とは限りません。暫定基準値に確固たる根拠がないからです。
- 3/11以前は食品に含まれるセシウムの量は検出されないくらい低い値であったことを忘れてはいけません。暫定基準値は以前の10倍、100倍も高い値です。
- 食料生産者として本当の正義、誠実とは、消費者のことを考え、危険な食品を出荷しないことです。
- 産地偽装にしろ、消費者を裏切ったり、無視した行動は社会的な制裁を受けます。
- 一瞬でブランドイメージを損なったり、消費者の信頼を失うでしょう。
- すでに、お茶や国産牛肉の信頼は失われました。
- これからはあらゆる食品にセシウムが混入してくるので、注意が必要です。
- 調査が間に合わないだけで、検査されていないだけです。
- 牛肉にセシウムが含まれるということは、当然牛乳も疑わしいでしょう。となると乳製品はすべて疑わしくなります。
- 海産物も大量の放射性物質が海水に放出されたため、疑わしいでしょう。
- 野生のきのこ類から暫定基準値を上回る放射線が検出されています。
- 最近放射線を検出しなかったという報道を耳にします。
- しかしそれは本当に検出しなかったのでしょうか?「精度不足で計測不能ではないでしょうか」
- 「非検出」と「測定不能」は別物です。
- そもそも海水には微量のウランがあることが知られており、放射線を検出しないはずがありません。
- 海水にはカリウムも溶け込んでいます。海草はカリウムを多く含みます。カリウムも放射線を放出します。
- 海水から放射線を検出できない測定器はそもそも「精度不足」であり、測定に不適切です。むしろ偽りの情報となります。
- 体重測定するのに、100Kg単位の目盛り(精度)しかない体重計であなたの体重を測定すると、100Kg以下なので測定不能となります。
- 測定不能だからといってあなたの体重がゼロではありません。明らかに体重はあります。
- 体重測定するのに、最低1Kg単位の精度が必要です。精度の足りない計測器で測定できないのは当然です。
- 食品の放射線量をガイガーカウンタで測定できないのは当然です。
- 現在、日本国内の高精度放射線測定装置は数が限られています。また一回の測定に1時間以上もかかることから測定が追いついていません。
- 非検出の言葉を鵜呑みにしないようにしましょう。
- 当初からこのフレーズを聞きます。確かに間違ってはいません。
- 間違ってはいないので後々、裁判沙汰になっても罪に問われることはないでしょう。それが政府、官僚の使う巧みな技というものです。
- しかし正確ではありませんし、無責任な発言でもあります。
- 「直ちに健康に影響を及ぼすものではない」としても「何十年後かに健康に影響を及ぼすかもしれません。」
- この裏の意味を隠蔽しているわけです。
- 発言した本人は何十年後には存在していないので、罪を問われることはないでしょう。
- しかし、子供や子孫は先人の過ちの責任を取らされることになります。
- 何十年後かに発生する問題の責任をとらない無責任な発言といえます。
- 確かに、「一時的」に多少の毒物を摂取しても、日常的に摂取しなければ、人間の体は対処できます。
- しかし、本当に「一時的」で済むのでしょうか。放射能汚染は突然明日から消えてなくなるわけではありません。
- 放射線量は時間と共に多少弱まりますが、何十年も何百年も存在し、付き合っていかなければなりません。
- 放射線には半減期という期間がありますが、これは放射線量が半分になる期間であって、ゼロになる期間ではありません。
- これからあらゆるものに放射性物質が混入してきます。日常的に放射能汚染にさらされます。
- 空気中に飛散した放射性物質の量は大したことがないと考えるのは浅はかです。
- 大雑把な比較ですが、広島の原爆リトルボーイに使用されたウランの重量約50Kgに対して、原子力発電所1機で使用するウランの重量は約184kgx400本=73.6tです。
- 重量だけで3桁も違います。ウラン濃度を考慮しても桁が違います(原爆用ウランの濃度は約90%、ウラン燃料の濃度は約3.5%です)。
- つまりすべてが漏れたわけではないにしても、桁違いの放射能漏れ、放射能汚染をしています。
- 経済産業省原子力安全・保安院の試算によれば、セシウム137の放出量は福島第1原発1〜3号機合計で1万5000テラベクレルです。一方で広島原爆は89テラベクレルでした。つまり168倍です。
- セシウムは常温で液体であり、水溶性であることから水に溶けます。つまりあらゆる食品に入り込んできます。
- 何十年も放射能にさらされるので、健康に影響を及ぼすでしょう。統計的にがんの発生が高くなることが知られています。
- 牛肉の放射線量は小さいから食べても安心だという方がおります。本当でしょうか?食べ続けて実験した人は誰もいません。真相は何十年後かにわかることがあります。
- 暫定基準値は安全係数を見込んでいるから、厳しい基準にしているから安全だという方がおります。本当でしょうか?そこに想定外はありませんか?十分に安全を見込んでいた原子力発電所はいとも簡単に想定外の爆発を起こしました。セシウムの化学的な毒性を見落としていませんか?検出が難しいので今は検査されていませんが、あとでプルトニウムが検出されたということはありませんか?
- 国内でも土壌からプルトニウムが検出されましました。プルトニウムは放射線量も強いですが、化学的な毒性もあります。
- かつて放射能の悪影響を知らず、原爆実験は地上で行われていました。放射能汚染が判明し、地下核実験に切り替わりました。
- イタイイタイ病は長年のカドミウム汚染が原因でした。水俣病は長年の有機水銀汚染が原因でした。どちらも直ちに健康に影響を及ぼすものではありませんでした。
- 人間の考えの及ばぬことは、世の中にたくさんあります。見落としや想定外はいくらでもあります。過信してはいけません。
- 現時点で不透明であるなら、出来るだけ避けておくことが得策です。わざわざ危険を冒す必要はありません。本当に安全とわかってからでも遅くはありません。
- 「たとえ一時的に食べたとしても健康上問題がない」との発言も無責任です。
- 仮にあなたに毒物の混入した食べ物を知らせずに(知らずに)食べさせたとしましょう。
- そして後になって「たとえ一時的に食べたとしても健康上問題がない」との発言を聞いたら憤慨するでしょう。毒を食べさせておいて何という言い訳かと。「故意」ではないにしても犯罪に近いものがあります。
- 故意ではないにしても(地震、津波による災害としても)、これだけ甚大な放射能汚染を起こしておいて、未だに逮捕者が出ないのは不思議でなりません。
- 地震、津波は天災ですが、放射能漏れは人災です。
- 例えば、水道水が一時的に放射能汚染し、飲めなくなりました。「水道汚染罪」という法律があり、6ヶ月以上7年以下の懲役です。
- このほかにも「浄水毒物等混入罪」「浄水汚染等致死傷罪」「水道毒物等混入罪、同致死罪」などがあり、これらには極刑が適用されることがあります。
- すでにあらゆるものに放射能汚染が広がろうとしているので、これからは「故意」の犯罪になります。知らなかったとは言えません。知らなかったでは済まされません。
- 放射能汚染した「わら」を牛に食べさせれば、汚染された牛肉になることは当然です。あれよあれよという間に汚染された牛の数が増えました。
- 土壌汚染した土地で植物を栽培すれば、当然汚染された植物になります。
- 予想通り、予備検査で2011年産の新米から暫定基準値を超える放射線量が検出されました。これにより本検査が実施されることになりました。
- 知っていて行うのですから「故意」です。
- 「たとえ一時的に(知らずに)食べたとしても健康上問題がない」との発言は「何十年後かに健康に影響を及ぼすことを考慮していません。」
- これからはあらゆるものに放射能汚染が広まるので、「知らずにして食べる」ということはありえませんしあってはなりません。
- 事後処理的に、実は毒物が混入していましたでは済まされません。食べてしまった人の体はもう元には戻りません。
- 自分の意思で選択するのと、他人によって知らず知らず、あるいは強制的に被害を受けるのでは意味合いが異なります。
- 自分の意思で喫煙するのは自由ですが、受動喫煙を強要され、何十年後に肺がんになるのでは、結果は同じでもまったく意味が違います。
- 自分の意思で喫煙して肺がんになるのは自業自得であり、その責任は本人にあります。一方、受動喫煙を強要され肺がんになるのは他人に責任があります。
- ですから、消費者側に選択肢を与えなければなりません。
- 「農薬を使用した野菜」と「無農薬野菜」を選択するのと同様です。(無農薬野菜にも残留農薬という落とし穴があります。)
- 航空機の安全性は高いですが、仮に1%の割合で事故が起こるとしたら(100人に1人の割合で事故)、皆さんは飛行機に乗るでしょうか?生命を預けられるでしょうか?
- 同様に汚染された食料の割合は低いといいますが、将来、健康に影響を及ぼすことがわかっていて、食べるでしょうか?
- 仮に食品の放射能汚染率が1割だったとしたら、食べるでしょうか?
- 仮にそうだとしても、消費者に選択肢を与えなければなりません。
- もちろん、放射能汚染をゼロにすることはできません。人は食べなければ生きられません。
- 放射能汚染を恐れすぎるあまり、栄養不足になっては意味がありません。
- 消費者は賢い選択をし、被曝量をさげる努力が必要です。
- 「死の灰」をご存知でしょうか?
- 1954年3月1日にビキニ環礁で水爆実験が行われました。
- 近海で操業中であった第五福竜丸が死の灰を浴びて被曝し、乗組員の一人が半年後に亡くなりました。
- 実は、東北、関東地方の方は2011年3月12日から15日にかけて「見えない死の灰」を浴びてしまいました。
- 見えない死の灰を直接浴びただけではなく(外部被曝)、吸い込んでしまいました(内部被曝)。
- 3/12に1号機の爆発、3/14に3号機の爆発にともない、大量の放射性物質が大気中にばら撒かれました。
- このときの風向きが悪く、海側から内陸に吹いており、風に乗って内陸を放射能汚染してしまいました。
- 現在、土壌汚染のひどい地域はこのとき運ばれてきた放射性物質によるものです。
- 福島の一部地域の空間放射線量はチェルノブイリ近郊よりも高い値を示しています。
- 南向きの風にのり、関東地方も3/15の早朝から午前中にかけて、放射性物質が飛来しました。
- 以前よりその可能性を想定して、定期的に空間線量を測定していたところ、3/15日午前中に高い値を検出しました。
- 知り合いには出来るだけ外出を控えるように連絡しましたが、一般の方がこの事実を知ったのは、翌日の報道です。
- これをきっかけに各地で空間放射線量が報道されるようになりましたが、すでに事後であり、多くの方が死の灰を浴びてしまいました。いまさら元に戻すことはできません。
- 測定値の最高値は普段の10倍くらい(関東の場合)でしたので、第五福竜丸より被曝量は小さかったようです。
- もし、もっと多くの死の灰を浴びて、半年後、あるいは一年後に亡くなるとしたらみなさんは冷静にいられたでしょうか?
- もっとも半年後、一年後に亡くなってしまうので、騒ぐ人がいなくなります。東北から関東にかけて無人になっていたかもしれません。
- 爆発があった時点で、放射性物質が飛来することはわかっていたので、死の灰を避けることが出来たはずです。
- 事後になって、直ちに健康被害はないといわれても何の説得力もありません。
- まずは避ける努力をし、それでも避けられなかった場合に言うべき言葉です。
- 今回はたまたま被曝量が少なかったからいえる言葉です。
- 被曝量が多かった場合、事後になって次のように報道されていたでしょう。「直ちに健康被害があります。心配ありません。どうせ人は死ぬのです。」
- 一歩間違っていたら、そうなっていたかもしれません。
- 危険なときは、冷静かつ迅速に対応しないと、大きな被害をもたらします。冷静すぎて逃げ遅れてはいけません。
- 一部の週刊誌には掲載されましたが、大気中に放出された放射線量の試算値です。
- 単位は[Bq]です。半減期の単位d=day,h=hour,y=yearです。
- 半減期は放射線量が半分になる期間であって、ゼロになる期間ではありません。
- もちろん試算値なので、誤差はあるでしょう。
- それでも大まかにどれほどの放射性物質が放出されたかを把握できます。
- これは経済産業省、原子力安全・保安院、平成23年6月6日の「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」からの抜粋です。
- ヨウ素131やセシウム137だけが放出されたと思ったら大間違いです。
- 半減期の長いストロンチウム90やプルトニウムも放出されています。
- ウランが記載されていませんが、当然放出されているでしょう。
- いろいろ調べていてわかったのですが、ウランは一般的な法律で対象外になっています。唯一は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律です。
- プルトニウムは強い放射能の危険もありますが、同時に化学的な毒性もあります。
- プルトニウムは扱いが危険なため正確な致死量がわかっていません(推定値はあります)。人体実験をするわけにもいきません。
- よくみると原子番号95前後と138前後が多いことがわかります。なぜかは核分裂の仕組みをご覧ください。
- これらすべての放射性物質による害をトータルで考えなければなりません。
- このほかに海水に放出された放射性物質があります。
核種 半減期 1号機 2号機 3号機 合計 Xe-133 5.2 d 3.4×1018 3.5×1018 4.4×1018 1.1×1019 Cs-134 2.1 y 7.1×1014 1.6×1016 8.2×1014 1.8×1016 Cs-137 30 y 5.9×1014 1.4×1016 7.1×1014 1.5×1016 Sr-89 50.5 d 8.2×1013 6.8×1014 1.2×1015 2.0×1015 Sr-90 29.1 y 6.1×1012 4.8×1013 8.5×1013 1.4×1014 Ba-140 12.7 d 1.3×1014 1.1×1015 1.9×1015 3.2×1015 Te-127m 109 d 2.5×1014 7.7×1014 6.9×1013 1.1×1015 Te-129m 33.6 d 7.2×1014 2.4×1015 2.1×1014 3.3×1015 Te-131m 30 h 9.5×1013 5.4×1010 1.8×1012 9.7×1013 Te-132 78.2 h 7.4×1014 4.2×1011 1.4×1013 7.6×1014 Ru-103 39.3 d 2.5×1009 1.8×1009 3.2×1009 7.5×1009 Ru-106 368.2 d 7.4×1008 5.1×1008 8.9×1008 2.1×1009 Zr-95 64 d 4.6×1011 1.6×1013 2.2×1011 1.7×1013 Ce-141 32.5 d 4.6×1011 1.7×1013 2.2×1011 1.8×1013 Ce-144 284.3 d 3.1×1011 1.1×1013 1.4×1011 1.1×1013 Np-239 2.4 d 3.7×1012 7.1×1013 1.4×1012 7.6×1013 Pu-238 87.7 y 5.8×1008 1.8×1010 2.5×1008 1.9×1010 Pu-239 24065 y 8.6×1007 3.1×1009 4.0×1007 3.2×1009 Pu-240 6537 y 8.8×1007 3.0×1009 4.0×1007 3.2×1009 Pu-241 14.4 y 3.5×1010 1.2×1012 1.6×1010 1.2×1012 Y-91 58.5 d 3.1×1011 2.7×1012 4.4×1011 3.4×1012 Pr-143 13.6 d 3.6×1011 3.2×1012 5.2×1011 4.1×1012 Nd-147 11 d 1.5×1011 1.3×1012 2.2×1011 1.6×1012 Cm-242 162.8 d 1.1×1010 7.7×1010 1.4×1010 1.0×1011 I-131 8 d 1.2×1016 1.4×1017 7.0×1015 1.6×1017 I-132 2.3 h 4.5×1014 9.6×1011 1.8×1013 4.7×1014 I-133 20.8 h 6.5×1014 1.4×1012 2.6×1013 6.8×1014 I-135 6.6 h 6.1×1014 1.3×1012 2.4×1013 6.3×1014 Sb-127 3.9 d 1.7×1015 4.2×1015 4.5×1014 6.4×1015 Sb-129 4.3 h 1.6×1014 8.9×1010 3.0×1012 1.6×1014 Mo-99 66 h 8.1×1007 1.0×1004 6.7×1006 8.8×1007
- 除染について考えてみます。
- その前に、この放射性物質の除染を本来「誰の責任で」行うべきかを少し考えてみましょう。
- 皆さんの家にゴミを投げ込まれたら、そのゴミは本来誰の責任で片付けるべきでしょうか?
- 本来であれば、ゴミを投げ込んだ人の責任で片付けるべきでしょう。加害者はゴミを投げ込んだ人であり、住人は被害者です。本来住人に片付ける責任はありません。加害者に片付けさせなければなりません。加害者に責任をとってもらわなればなりません。
- 現在、裁判中ですが、加害者は放出した放射性物質を「無主物」=「所有者のない物」と主張しています。放射能汚染は自然現象の雨とは違います。自然に大量に放射性物質が降ってくることはありません。多くは人工的に作られた物質であり、自然界に多くは存在しません。
- 確かに放射性物質に所有者の名前は書かれていません。しかし、地球上であの日あの時間帯に、大量の放射性物質を放出した場所は一箇所しかありません。同時期に地上で核爆発実験を行った事実はありません。
- 「土壌汚染対策法」、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に「放射性物質を除く」とのただし書きがあり、法律の適用外です。その代わりに「原子力損害の賠償に関する法律」が定められています。ただし、細かい規定がされておらず、損害の認定は裁判を必要とします。原発は安全であり放射能汚染は起こらないとの前提であったため、法律の不備があります。
- 裁判中なので事実のみにとどめます。
- さて放出された放射性物質はたくさんの種類がありますが、外部被曝、内部被曝に影響を与えるものとして特にI-131, Cs-134, Cs-137, Sr-90の汚染に注意しなければなりません。
- このほかの放射性物質もありますが、ウランやプルトニウムは原子量が大きいため重く、微細化されたとしても遠方へ広がる確率は低いからです。
- I-131は半減期が8日と短く、急速に放射線量が低下しますが、甲状腺がんを引き起こすことが知られています。
- 半減期が短いために、時間が経過してからではI-131を検出できないため、内部被曝したどうかを後で知ることは困難です。
- セシウムは化学的にカリウムに近く、ストロンチウムはカルシウムに近いため、植物や体に取り込まれ易い性質があります。
- セシウムは半減期が長く、人は長期的な被曝をします。セシウムは水溶性であるために、食品に入り込んできます。
- ここでは今後もっとも影響の大きいであろう、セシウムの除染について考えてみます。(他の放射性物質についても考える必要が後にでてくるでしょう。)
- 放射線は化学反応ではないため、中和反応のように薬剤を撒くことで放射性物質を無力化することはできません。
- 放射性物質は時間と共に放射線量が少なくなりますが、消えてなくなるわけではありません。崩壊系列が知られており、放射線を放出しながら別の元素に変わっていきます。
- 放射性物質の除去は厄介であり、原始的ではありますが、放射性物質を拾って集め、取り除くことが最も効果的です。
- 一度拡散してしまうと、完全に取り除くことは不可能です。まずは大体を取り除くことに集中する必要があります。
- 爆発により、チリやホコリ状になった放射性物質が風に乗り、地表に降り積もりました。あるいは汚染水として海に放射性物質が漏れました。
- アスファルト上は水はけがよいことから、放射性物質は雨によって流され、下水に流れ込みます。それによって水路や河川に放射性物質が集まります。
- 海産物よりも、淡水の魚介類の方が、放射能汚染がひどいことが報告されています。
- 雨どいなど雨水の流れるところの放射線量が高いことが報告されています。
- 土壌(田畑を含む)に降り積もった放射性物質は当初表面にしか積もっていないため、表層を数センチ削りとるだけで除染できました。
- しかし、時間と共に雨や耕作によって、土壌中に拡散していきます。作付けする前であれば、表面を数センチ削りとるだけで十分でしたが、土をかき回してしまった後では数十センチ削りとらなければなりません。
- はじめに適切な除染をしないと、その後の除染はもっと苦労することになります。
- 逆にビニールハウス内では、放射性物質があまり入り込んでこなかったので土壌汚染の度合いが低いことが報告されています。ビニールに付着しているので注意深く張り替えるだけで済むでしょう。
- セシウムは水溶性であるため、土壌が汚染されていると作物も汚染されます。作物の汚染をさけるためには土壌汚染を取り除く必要があります。もちろん、水路の水汚染にも注意する必要があります。せっかく田畑を除染しても水から放射能汚染を広げては意味がありません。
- 山間部では山に降り積もった放射性物質が落ち葉(堆肥)や小川を介して、田畑に流れ込んでくることがあります。
- 一度の除染では不十分かもしれません。
- 半分の田畑を汚染土壌の保管場所とし、除染された半分の田畑で作付けすれば、作物の汚染を防げます。
- 全部の田畑を救うことはできなくとも半分の田畑を救うことができます。欲張りすぎて全部の作物を汚染させ、全滅させてしまうよりはましです。
- 土壌汚染では削り取った汚染物質の処理に困ります。
- 汚染物質の一時保管場所として、人とのかかわりの少ない無人島などを検討してはどうでしょうか。
- 将来、除染工場を建てて集中的に放射性物質を分離することも検討してはどうでしょうか。
- チェルノブイリ事故では汚染土壌を汚れていない下層の土壌と入れ替える作業が行われました。地下水への汚染などに気をつけなければなりませんが、それでも線量を低減させる有効な措置だったようです。
- 脱線しますが、東北地方の瓦礫処理が追いついていません。近隣のゴミ処理工場では何十年も処理できません。むしろ東北地方に新規にゴミ処理施設を建設したほうが総合的にコストも時間もかからないでしょう。
- 考えてもみてください。大量のゴミを遠方に運ぶだけで何年もかかります。輸送コストも莫大にかかります。東北のゴミを九州に運ぶとしたらどれほど無駄が生じるかわかるでしょう。そうした無駄を省くためにも1、2年かけてでも東北でゴミ処理施設を建設したほうが早いのです。輸送する距離も短くてすみます。
- ゴミ処理関係で東北地方に雇用も生まれるでしょう。
- 2013年12月に東北の瓦礫処理が終わりました。東北に臨時のごみ処理施設を建設したため、短時間に済みました。
- 家庭内の除染は通常の掃除と変わりありません。放射性物質がチリやホコリ状になっていることから拭き掃除をすることで除染できます。
- 基本的に上から下へ作業します。チリやホコリを拡散しないようにします。作業順序を考えて行います。
- 雨どいや水路は、汚染土壌を除去したあと、洗い流すことで除染します。
- 庭は土壌をかき回していなければ、表層を数センチ削り取ることで除染します。
- 庭の木の葉や落ち葉も燃やさずに取り除きます。
- 除染作業の際は放射性物質を吸い込まないようにし、終了後はお風呂で体を洗います。汚れた服は洗濯します。
- 放射能漏れからまもなく2年経ちます。
- 放射能汚染の報道がほとんどなくなりましたが、放射能汚染が消えてなくなったわけではありません。
- 湖、沼ではむしろ放射能汚染が進んでいます。ホットスポット近郊の湖や沼で汚染が悪化しています。
- 原因は放射性物質が沈着した泥が流れ込んでいるからです。
- 湖や沼に泥が長期間たまりやすく、流れ出て行きません。そのため、放射能汚染が悪化しています。
- 淡水魚や淡水の貝類も汚染され、基準値(100Bq/Kg)を超えているため出荷が停止されています。
- 焼却灰や上下水道の汚泥から放射性物質(セシウム134と137)が検出されています。
- 場所により大きく変動しています。ホットスポットを抱える地域はやはり放射線量が高いです。
- ちなみに東京23区の焼却炉から排出される飛灰(集塵装置の灰)には100から2000Bq/kgのセシウムが検出されています。
- 下水道の汚泥は深刻でホットスポットを抱える処理場で2000Bq/kg前後、福島では10000から40000Bq/kgです。
- 暫定的なごみ処理可能な基準は8000Bq/kgです。これ以下であれば法律上は埋め立て処理できてしまいます。
- 関東から東北にかけて、深刻な状態です。ちなみに東海から関西ではほぼ未検出です。
- これは当初から予想されたことで、放射性物質の沈殿物が移動しています。
- 何十年続くかわかりませんが、モニタリングを続けるしかありません。
- 低線量とはいえ、放射性物質を含む焼却灰や汚泥の処分地が見つからず、困った状況が続いています。
- しかも処理場の敷地内の仮保管場所もなくなり、ここでも核のゴミ問題が解決していません。
- 農林水産省、消費者庁、厚生労働省、内閣府食品安全委員会から放射性物質のはなしが提供されています。
- 「新しい基準値のはなし 」厚生労働省
- 「放射性物質と健康影響のはなし 」内閣府食品安全委員会
- 「生産現場の取組のはなし 」農林水産省
- 政府広報食品中の放射性物質の新しい基準値が提供されています。
- 「新しい基準値のはなし 」では2012年4月からの新しい基準値が定められ、安全性を強調しています。しかしそもそも食品の放射性汚染基準を決めていなかった過ちを認めていません。
- 食品に含まれる放射性セシウムの放射線量の推計値が福島県の方で0.02ミリシーベルト/年であったにも関わらず、自然界の放射性物質(カリウム40)からの放射線量約0.2ミリシーベルト/年の1/10であったから少ないと強調しています。
- しかし放射能漏れを起こしたことにより、1.1倍になったということです。放射能漏れがなければ、増加することはありませんでした。
- 関東東北(17県)の食品のうち88.3%はセシウムを検出しませんでした。逆に言えば、12%は検出したということです。これほど大規模に毒物が混入する事件はかつてあったでしょうか?
- 食品の放射能汚染も原発同様、安全神話にしてよいのでしょうか?
- 食品の放射能汚染をゼロにすることは不可能なので、残念なことにどこかで許容できる線引きをしなければなりません。
- 汚染状況を把握したうえで、賢明な消費者は可能な限り、努力することが必要です。
- 放射能汚染問題はまだ解決したわけではありません。
- むしろこれからが本番です。
- ところが状況は悪い方向に向かっています。
- 2015年9月10日、台風18号の影響で、茨城県の鬼怒川の堤防が決壊しました。
- 同時に袋に保管していた汚染土壌も流されてしまい、袋が破れて放射能汚染を拡散してしまいました。
- しかもどこへ流れたのかわからなくなり回収不能です。
- 中間貯蔵施設の建設が遅れると、こうしたことが頻発します。すでに袋が破れて飛散もしています。
- 放射能漏れ事故からたった4年で、このありさまです。
- セシウム137の半減期は30年です(30年で放射能がなくなるわけではありません)。
- 30年保管どころか4年しか保管できませんでした。
- 核廃棄物の最終処分場を先送りすると、同じことが起こります。
- 核廃棄物が拡散したり、行方不明になったりします。
- 先送りすればするほど、悪い方向に向かいます。
- ではどうすればよいか、私の提言は人の住まない離島(国有地)に核廃棄物の保管施設をつくることです。
- 人が住まないので、反対者も少ないでしょう。離れた場所であるため、人への影響もありません。
- 各県で中間貯蔵施設を作ることに無理があります。それよりも国が主体で一か所に決めるほうが確実です。
- 船の運搬中に転覆する可能性もあるかもしれませんが、現在のように人の住む場所に保管するよりはリスクを低減できます。
- 100%安全で完璧な答えはありません。その上でベストな選択をしていくしかありません。
- 将来、もっとよい場所がみつかったらそのとき検討すべきでしょう。
- 離島の核廃棄物保管所は建設費が高くつくと考えるかもしれませんが、高速増殖炉(もんじゅ)につぎ込んだ税金(総事業費1兆円)を考えれば安いものです。
- 低レベル核廃棄物も高レベル核廃棄物も離島に保管します。こうすれば警備の面からも一元管理できます。(核兵器への応用を防止するため警備が必要)
- 高レベル核廃棄物は1万年以上保管しなければなりません。
- 1万年という時間は想像できません。現代人は一万年前の情報をほとんど失っています。
- 大陸が移動したり、言葉はおろか生物が進化するため、どうなっているかわかりません。
- 日本という国家が存在している保証などありません。むしろ国家なんてものがないと考えたほうがいいでしょう。
- 1万年という時間では富士山が何度も爆発しているでしょうし、大地震も何度もあります。
- 地球に隕石がぶつかり、人類が滅亡しているかもしれません。1万年とはそういう時間です。
- たとえ核廃棄物保管施設のある離島が噴火爆発しても、(少なくとも短い時間単位で)生活圏から離れているのでリスクを低減できます。
- 離島が現時点で現実的な答えです。
- 2016年5月10日の給食に出されたタケノコから基準越えの234ベクレル/kg汚染が発覚した。
- もう食べてしまった後の話である。もう元には戻らない。
- まだまだ終わっていないのだ。むしろこれからが本番だ。
- ※チェルノブイリの石棺は老朽化で崩壊の危険があり、新たな囲いを建設中である。
- ※核廃棄物の取り出しなどまだ先の話である。取り出すどころか拡散しないようにするだけで精いっぱいである。
- 全数検査していないので、今回の発覚は氷山の一角であろう。
- 山間部の除染作業は行われていない。だからそこから掘り出されたタケノコは汚染されている。
- 山間部で自然栽培しているキノコも同様である。食品工場内で生産されているキノコはこの限りではない。
- 淡水の魚や貝はいまだに基準越えている。汽水域の潮干狩りも気を付けなければならない。
- ホットスポットと呼ばれる場所はいまだに線量が高い。
- 某観光地はホットスポットにもかかわらず、旅行客が戻り始めている。
- セシウムは30年経っても放射線量が半分になるだけであって、消えてなくなるわけではない。
- 100年単位あるいはもっと長いスパンでの管理が必要であり、次世代に放射能汚染の情報を受け継いでいかなければならない。
- まだ生まれてきていない世代に情報を受け継がなければならないのだ。
- 放射能汚染はまだ拡散を続けている。
- 山から流れれくる川は放射能汚染を拡散する。
- 放射能漏れもまだ止まっておらず、量は少なくなったとはいえ、まだ漏れ続けている。
- 時間の経過とともに記憶が薄れて、汚染慣れするため無防備になる。これこそが本当の危険なのだ。
- 2017年5月10日福島県の山林火災がやっと鎮火した。
- この火災に伴い、空間中の放射線量が3倍から7倍になった。火災によって舞い上げられたのだ。
- 放射性物質を放置していると、別の災害により汚染を拡散してしまう。
- 中間貯蔵施設が決まらないと汚染を拡散し、決まったころにはすべての汚染物質が拡散したあとで貯蔵するものがないということになる。
- 問題を先送りすると、取返しがつかなくなる。
- やれることはできるだけ早いうちに処理したほうがよい。
- 火災も初期消火で済めば大惨事を防げる。がんも初期に発見すれば大事に至らない。
- 同じように放射能汚染も初期対処を誤ると取返しがつかなくなる。