- ガイガーミュラー管を駆動するためにはDC500V前後を必要とします。
- 電流は必要としません。
- ノイズの多い高電圧は検出電圧と区別がつかなくなります。
- 特別な部品を使わずに実現します。トランスを使いません。
- 入手性のよい部品を使います。
- ガイガーミュラー管の推奨電圧にあわせて調整できます。
- 電池駆動を考え、低消費電流です。
- 高電圧で危険です。
- 自己責任で利用してください。筆者は一切の責任を負いません。
- 著作権を放棄していません。
- この高電圧回路はDC500V前後を想定して設計しています。
- そのため、約700V以上は一部(瞬間的)耐圧を超えています。この領域はアマチュア的に利用してください。
- あるいはもっと耐圧の高い部品に変更してください。
- 回路設計ではある程度の余裕を持たせる必要があります。
- オークションでこの回路を使用したガイガーカウンタ・キットを見かけますが、当方とは一切関係ありません。
- 詳細は公開しませんが、オークション品に問題があるようです。
- 個人利用に限定され、著作権者の許可なく商用利用できません。
- 直接間接に関わらず、使用によって生じたいかなる損害も著作権者は責任を負いません。
- 仕様は予告なく変更されることがあります。
- パルス幅で高電圧を調整します。
- パルス幅をPWM制御します。基本周波数は1KHzです。
- ワンチップ・マイコンで発生させたい電圧に応じたパルスを供給します。
- プラトー電圧という安定した領域を利用するため、フィードバック制御をしていません。
- プラトー領域では多少駆動電圧が変動しても、測定値にあまり影響しません。そのため厳密に制御する必要はありません。
- 例えば、LND712のプラトー電圧範囲は450Vから650Vまでの200Vという広い動作範囲があります。
- 推奨プラトー電圧は500Vですから、200Vというのは200V/500V=40%の変動範囲を許容しています。
- 推奨プラトー電圧は一般的にプラトー電圧範囲の開始電圧から1/3の位置に設定します。LND712を例とすれば450V+(650V-450V)/3=517Vとなります。
- LND712のプラトースロープは6%/100Vであり、これは100Vあたり、計測値が6%増加することを意味します。
- 例えば、450Vの計測値に対して、650Vの計測値は12%増加します。プラトー電圧が変動しても1割くらいしか計測値に影響しません。
- 放射線は確率的に放出されるため、必ずばらつきを伴います。低い計測値の場合はサンプリング数が少ないため、特にばらつきます。
- 例えば簡単に計測値が2倍くらいばらつきます。それに比べて、駆動電圧変動による計測値の変動は大きく見積もっても1割にしかなりません。
- 計測値の平均をとれば、ばらつきを抑えられますが、その値だけが正しいかといわれればそれも違います。
- 1日の気温が変動するように、(短い時間単位の中で)放射線量も変動します。1日の最高気温と最低気温、平均気温があるように、放射線量もばらつきます。平均値だけが正しいとは限りません。
- MOSFETのスイッチングでノイズが発生します。そこでR2とC2のローパスフィルタでノイズをカットします。
- 基本周波数とパルス幅を探し当てるのが至難の業であり、本来であれば企業秘密の内容です。
- 無限の組み合わせから探し当てなければなりません。
- 基板設計時の注意事項です。
- L1から電磁波がでます。近くにインピーダンスの高い部品配置、配線をしないようにしてください。パルスノイズを拾います。
- 高電圧配線は他の配線と間隔をとってください。目安は100Vあたり1mmです。500Vなら5mmです。
- 万能型のPWM出力回路です。
- ジャンパースイッチで目的の電圧を選択します。
- 5V電源が必要です。3.3Vでは動作しません(たまたま動くかもしれません)。
- FQPF3N90のVgsは最低3V必要です。一方でPICのポート出力電圧Vohの保証値はVdd-0.7V=2.6Vです。設計上、電圧不足です。
値 数 備考 単価 100 1 R1 カーボン皮膜抵抗1/4W 10 1M 1 R2 カーボン皮膜抵抗1/2W 10 10mH 1 L1 インダクタ(太陽誘電LHLC08NB 103J)、千石 50 4700pF 2 C1,C2 セラミックコンデンサ(ムラタ耐圧2KV)、鈴商 50 UF2010 1 D1 ファーストリカバリ・ダイオード(PANJIT耐圧1KV)、秋月 40 FQPF3N90 1 Q1 NMOS-FET(フェアチャイルド耐圧900V)、秋月 50
- L1の特性によって発生する電圧が変動するため、この型番を利用してください。
- インダクタの最大電流は0.11Aです。これ以下に収まっています。インダクタは電流素子であるため、耐圧は規定されていません。
- 抵抗の耐電圧はカーボン皮膜抵抗1/2Wで700V程度です。カーボン皮膜抵抗1Wの場合1000V程度です。
- 電源には三端子レギュレータをご利用ください。
Vdd=5V時の特性
- 電圧の精度を向上しました。(2011-06-04)
- 基板材質や配線方法、湿度により若干のずれがありますが、概ね許容範囲でしょう。
- 湿度の影響を受けにくく、絶縁性の高いガラスエポキシ(FR-4)が最適です。絶縁抵抗は10Gのオーダーです。
- 紙フェノール、紙エポキシは向きません。絶縁抵抗は1Gのオーダーです。
- この高電圧の測定には特別な回路が必要です。
- テスターでは測定できません。テスターの内部抵抗で電圧が急激に低下します。
- 1GΩ負荷の測定でも誤差があります。特別な方法により電圧精度を向上させています。
電圧[V] パルス幅[us] 消費電流[mA] 400 62 1.0 500 76 1.2 600 91 1.5 700 107 1.9 800 123 2.3 900 140 2.8
- パルス幅に応じてほぼ直線的に高電圧が得られます。
- 900V以上は耐圧を超えています。
- 1000V以上も発生可能で、パルス幅に注意が必要です。
- フィードバック制御しなくてもVddが安定していれば、安定した高電圧が得られます。
- 下記は900V時の様子です。電圧を1/500して測定しています。20ms/div
CK1026用ガイガーカウンタ回路(駆動電圧DC800V)(C)2011 All rights reserved by Einstein.
- ノイズ除去のためC3を追加(2011-06-04)
- (Vdd-2V)前後の検出パルスが出力されるので、カウントするだけです。
- 検出パルスはマイナス方向のパルスです。
- LED確認回路を追加しました。
- 少し安全をみて駆動電圧を800Vとしています。
- CK1026使用時の注意事項
- 経年変化により両端のラバーコーティングが一部はがれていることがあります。光にかざすと確認できます。
- 可視光が入ると誤動作します。安定しません。
- 黒いケースかビニールで遮光する必要があります。
- 製造時期によって刻印が違うようです。右が動作不良です。
SBM20用,J408γ用ガイガーカウンタ回路(駆動電圧DC400V)
- Rs,RdはGM管の種類により多少の調整が必要です。
- 駆動電圧を500Vにすれば、LND712用になります。