問題先送りのツケ、代償

事実関係の整理

少し小康状態となり、冷静に物事を整理します。
福島第一1号機2号機3号機4号機5号機6号機
地震発生時の状態運転中運転中運転中点検中点検中点検中
炉心内の燃料集合体本数400(70%破損)548(30%破損)548(25%破損)0548764
プール内の使用済み燃料集合体本数2925875141331946876
プール内の新品燃料集合体本数10028522044864
現状3/12水素爆発圧力抑制室から水漏れ3/14水素爆発3/15火災冷温停止冷温停止
このほか共用プール内に使用済み燃料集合体6375本あり。

問題先送りの代償

2つの大きな問題先送りの代償を払わされることになりました。
  1. 使用済み核燃料の半永久保管計画先送り
    • 原子の火が灯り、原子力発電所が稼動してから40年以上経ちました。
    • この間、使用済み核燃料のゴミ処理問題は棚上げされてきました。
    • つまりゴミ処理しないまま、核燃料は燃やし続けられてきました。
    • そのため、使用済み核燃料は原発建屋内にも大量に保管されていました。
    • 使用済み核燃料はプールの水でのみ保護されていた。水を失うと保護を失う。
    • 原子炉内の核燃料は原子炉圧力容器と原子炉格納容器で2重に守られています。
    • 破損した核燃料のゴミ処理をせざるを得なくなりました。ゴミ処理しなければ放射性物質が漏れ続けます。
    • 核燃料ゴミの半永久保管場所(最終処分場)が決まっていないため、玉突き状態で原子力発電所内にも多く保管されています。
  2. 日本の借金先送り
    • 国債や地方債の合計は900兆円(2010年度)です。日本の総預金額を超えようとしており、会社で言えば債務超過寸前、倒産寸前です。
    • 特に平成に入ってから、税収と歳出のバランスが崩れ、急激に借金が増えました。
    • 先送りしてきた借金が復興の足かせ、妨げとなっています。
    • 復興のために借金を増やせば、信用不安から日本経済が悪化し復興することができません。
    • もし、日本の借金を先送りせず、貯蓄していたら復興資金にあてられたでしょう。
    • (地震は予想されているものの)こうした不意(突然)の事態に対処するためには、地震の備えとともに資金も備えておく必要がありました。


基礎知識

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