- パワーアンプGPA10DCで実現したかったこと、それは「電力増幅」です。
- この一言に尽きます。正確にいえば、精度の高い電力増幅です。
- いまさらと思われるかもしれませんが、現在、ボルテージ・アンプ(電圧増幅器)がパワーアンプ(電力増幅器)の代用として販売されています。
- パワーアンプGPA10DCは電力増幅器です。
- パワーアンプと呼べるのは電力増幅器だけです。
- 詳しくは▼アンプの見分け方をご覧ください。
- 従来の音の延長線上を求めている方には向かないかもしれません。
- 科学的に正しい音を追求する方、先進的な方、先入観のない方、次世代を担う方に向いています。
- モデルGPA10DCはさらに高性能化、高精度化しました。
- 高い精度の電力増幅、分離度の改善、周波数特性の改善、応答速度の改善などを実現しました。
測定器の開発
- パワーアンプとは電力増幅器です。電圧増幅器ではありません。
- 電圧増幅器は負荷が変動しても、(入力が一定なら)出力電圧が変わりません。
- 同様に、電力増幅器は負荷が変動しても、(入力が一定なら)出力電力が変わりません。
- この違いを模式化(イメージ化)したグラフです。
- 横軸はスピーカーのインピーダンス(負荷)、縦軸は出力電力です。
- 電圧増幅器は負荷に応じて出力電力が低下します。(下のグラフ)
- 電力増幅器は負荷によらず出力電力が一定です。(中のグラフ)
- では、GPA10DCの特性を見てみましょう。実測値です。
- 電力増幅器の特性に非常に近いことがわかるでしょう。
- つまり、GPA10DCはパワーアンプである証拠です。
- 縦軸を2倍に拡大しているので、注意してください。
- ※従来のパワーアンプと見分けがつかないため、電力アンプと名付けました。
- ※英語ではGPAと名付けました。
電圧増幅器(ボルテージ・アンプ)
- 少し時間があいてしまいました。
- 実は測定器を開発していました。これについては別の機会に紹介します。
- アンプはスピーカーに正しい電力を伝えなければなりません。電圧ではありません。
- アンプの性能はなぜかダミー抵抗を接続して測定します。
- アンプはスピーカーに接続して使います。ダミー抵抗ではありません。
- ですからアンプをスピーカーに接続したまま、出力電力を測定しなければ意味がありません。当たり前ですよね。
- そして正しい電力が伝えられなければ、正しい音はでません。当たり前ですよね。
- スピーカーに間違った電力を入力して、正しい音が出力されるわけありません。スピーカーは手品(魔法?)の箱ではありません。
- そこで、アンプとスピーカーを接続したまま出力電力を測定する機器を開発しました。
- 科学的な検証のために測定器が必要です。
- 電圧増幅器(ボルテージ・アンプ)と電力増幅器(パワー・アンプ)の違いをご覧にいれます。
- 使用したスピーカーはどれもP1000Kです。
- 横軸は周波数、縦軸は電力(dB換算)です。
電力増幅器(AD00026)
- 電圧増幅器(ボルテージ・アンプ)の出力電力特性です。
- 理想はフラットです。
- スピーカーのインピーダンスに影響され、低音と高音で低下しています。
- 正しい電力が伝わっていません。
電力増幅器(GPA10DC)
- 入門用の電力増幅器(AD00026)の出力電力特性です。
- 理想はフラットです。
- 電圧増幅器に比べたらかなり抑え込めていますが、完全ではありません。
- そこで精度を上げた電力増幅器(GPA10DC)の出力電力特性です。
- 理想はフラットです。
- ほぼフラットです。精度が向上しています。
- どの周波数であっても正しい電力がスピーカーに伝わります。
- なお、GPA10DCは特定のスピーカーに特化して補正しているわけではありません。
- 特性の異なるスピーカーであってもほぼフラットになります。
- もちろん最低限の条件はあります。むちゃくちゃなスピーカーでは困ります。
- そんなことできるのかと疑問に思うかもしれませんが、それを実現しました。
- このグラフが物語っています。
- 電圧増幅器ではなく電力増幅器であるため、動作原理が違います。
- スピーカーの公称インピーダンスに合わせて最適に動作します。
- 電源投入時のポップノイズ回避回路も搭載しています。
- デュアル電源方式です。
- 回路図は著作権で保護されています。
- 仕様は予告なく変更されることがあります。
※ご注意
オーディオ入力端子 RCA スピーカー端子 バナナプラグ対応 最大出力電力 10W+10W(8Ω時) 周波数帯域 20〜20kHz 適合公称インピーダンス 8Ω ボリューム 電子ボリューム(dB単位) 入力インピーダンス 50kΩ(ライン入力) 入力基準電圧 1Vrms サイズ(幅x高さx奥行) 89x40x130mm(突起部を含まず) 重量 0.6kg 電源 DC24V(2A) x2 付属品 ACアダプタx2 原則として受注を受け付けていません。
- 過度な入力電圧を加えないでください。故障します。
- デジタル機器によっては電圧基準が2Vrmsです。
- ケースは放熱器を兼ねており、熱くなります。
- 風通しのよい場所に置いてください。
- どうしても希望の方は支払い可能な金額の提示のうえ、問い合わせください。
- 諸条件(納得の金額、時間の確保、部品の入手状況、納期など)をクリアできたときのみ、ご連絡します。
- 問い合わせが多いのですが原則として連絡しません。冷やかしはご遠慮ください。
- 位相補正の併用をお勧めします。
- この電力アンプだけでもまだ不十分です。
- 電力アンプと位相補正を併用することで正しい音に近づきます。
- これまで位相について深く議論してきませんでした。忘れ去られています。
- 位相とはなんなのか、位相補正とはなんなのかはこちらで解説しています。
- GPA10DCは2つの電源方式です。
- 一般的な単電源アンプは音声である交流を増幅できないため、内部で中間電圧(DCバイアス)を生成します。
- この中間的なDC電圧を出力時にカットする必要があるため、コンデンサを必要とします。
- このコンデンサとスピーカーによって形成されるハイパス・フィルタ(高音を通すが低音を通さないフィルタ)が低音を損ないます。
- そこで2つの電源を使い、中間電圧を取っ払って出力コンデンサを取り除きます。
- これによって、ハイパス・フィルタを構成することがないため、低音が損なわれません。
- この技術をOCL:Output Capacitor-Lessと呼びます。
- こうした贅沢な設計はコスト高になるため、見かけたことがないでしょう。
- 科学的に正しい音量を出力します。
- そればかりではなく正しい音色も再現します。
- これはより理想に近い音(元の音)を再現することを意味します。
- スピーカーの周波数によるインピーダンス変動によらないため、スピーカーの性能を引き出します。
- もちろん、スピーカー本来の性能を超えることはできません。
- 洗練されており、シンプルな手法で理想に近づきます。
- ユーザにとってのメリットだけでなく、メーカーにとっても大きなメリットがあります。
- 大がかりな回路変更を伴わず、わずかなコストで大きな効果を得られます。投資に対してリターンが大きいです。
- どんなに優れた技術でも、費用対効果が見合わなければ、採用は難しいでしょう。
- むしろ、スピーカー側のコストを下げることができます。
- 大抵の場合、マルチウェイのスピーカーである必要もなくなり、フルレンジで済むからです。
- 余計な補正をすることなく、スピーカー作りに専念できます。
- さあ、わくわくしてきましたね。
- 科学的に正しいアプローチで、理想のオーディオに一歩近づきます。
- 電子ボリュームの必要性を科学的に検証してみましょう。
- GPA10DCは電子ボリュームを搭載しています。なぜでしょうか。
- まず機械的なボリュームの仕様を確認します。
- 相互偏差が左右誤差です。最大で3dBもあります。
- 一般的にアンプの歪率が1%から0.1%にもかかわらず、左右で3dB(=1.4倍=40%の誤差)もの誤差があったら、話になりません。
- 実際に相互偏差を計測してみました。
販売店 Akizuki 50KA 門田無線 50KA 価格 90(税込み) 843(税込み) メーカー Supertech Electronic ALPS 型番 SH16T2A503L20KC RK27112A0-F25-C0-A503 全抵抗値許容差 ±20% ±20% 相互偏差 -40dB〜0dB 3dB(max) -70dB〜60dB 3dB(max)
-60dB〜0dB 2dB(max)
- SH16は±8%くらいの誤差があります。
- RK271は±10%くらいの誤差があります。
- 12%が1dB(=1.12倍=12%の誤差)に相当しますので、仕様は満たしています。
- しかしアンプの歪に比べて10%の誤差は許容できません。
- 機械的な限界です。
- そこで電子ボリュームの登場です。
- 電子ボリュームは1%以下の誤差です。
- GPA10DCは機械的ボリュームで電子ボリュームを制御するため、従来と同じ操作方法です。
- 音に関していえば、今までの電圧増幅器はなんだったのだろうと感じずにはいられません。
- この音を聞いてしまうと、もう後戻りできません。
- まずは何の味付け(イコライザ、低音ブースト、PCのサウンド・システム)もしないでお楽しみください。
- 余計な補正はむしろ邪魔です。音の再現性を悪くします。
- 部屋の広さによる制約があるため今は無理ですが、大きなスピーカーで試してみたいところです。
- なんちゃってスピーカーではなく、基本に忠実なスピーカーでなければなりません。
- 必要としているのは見栄えだけよく中身のない製品ではなく、見栄えは無骨であっても基本に忠実な製品です。
- 求めているのは、メーカーによる色付けされた音ではなく、あくまでも基本に忠実なスピーカーです。
- 心当たりはあるのですが、昔手放してしまいました。
- こねくり回したり、特殊なスピーカーではありません。